1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

ナンノが歌う明菜曲に手拍子を打つ2024年になろうとは。(松尾潔)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月26日 9時26分

ナンノが歌う明菜曲に手拍子を打つ2024年になろうとは。(松尾潔)

(提供写真)

【松尾潔のメロウな木曜日】#94

♪恋人よ、これが私の一週間の仕事です。テュリャテュリャテュリャリャ♪

◆木曜(7月18日) 都内某所で著述家の北原みのりさんと初対面にして初対談。テーマは都知事選にはじまり、代理母出産、フェミニズムの現在地点、この国の未来まで。かつて、マニュアルを駆使してでも「愛される女」というステージを目指すことを全女子に強いるような空気が支配した時代があった。さほど昔のことでもない。あれは男にとってもツラかったなーとぼくは思うのだが、あれこそ良き時代だったと復活を願う男性(と女性)も少なくないようだ。だが、そもそもそんな「時代」は過去形にさえなっていないという現実を、北原さんのお話を聞いて痛感。その後、空間デザイナーの角章さんと、彼が手がけた新店舗で落ち合う。妖しく灯るトム・ディクソンのペンダントライトの下で和食をつまんで痛飲&談笑。NFTの可能性など。

◆金曜(19日) 男性デュオBREATHE(ブリーズ)の公演をビルボードライブ横浜で。メンバーの宮田悟志と多田和也は、ぼくがデビューに関わった三代目J SOUL BROTHERSのオーディションのファイナリスト。東日本大地震が起きた2011年にデビューしたものの16年に解散。21年に再始動した。十分すぎる辛酸を嘗めた先の物語を自分たち自身で描こうとする、その意気や良し。終演後は中華街のいつもの店で餃子・アフター・餃子!

◆土曜(20日) 本連載番外編の対談企画が大好評だった南野陽子さんの公演を丸の内コットンクラブで。「吐息でネット。」等のヒット曲はもちろん、この日のサウンドプロデューサーである国宝級編曲家・萩田光雄さんの代表作をカバーするコーナーも愉し。ナンノが歌う明菜曲に手拍子を打つ2024年になろうとは。

◆日曜(21日) 福岡音楽都市協議会が主催する宿泊型教育プログラム「Music Summer Camp Fukuoka」で作詞講座の講師を務めることになり、福岡市のアウトドア複合施設〈かしいのはまビレッジ〉へ。曲作りや歌唱はもちろん、ダンス、著作権までをも集中的に楽しく学ぶ2日間の合宿講座。参加資格は「18歳から29歳までの、音楽で何者かになることを目指す表現者」と非常にシンプル。これさえ満たせば宿泊費も食費もすべて無料という太っ腹企画である。やるなあ音楽都市・福岡! 現地に着くとすぐ、ダンス講座を終えて会場を出ようとする振付稼業air:manのみなさんとバッタリ。air:manは日本の有名どころのCMやMV(ミュージックビデオ)の振付を総なめにしているだけではなく、2015年には米国のロックバンド、オーケー・ゴーのMV作品で米MTV音楽賞の最優秀振付賞を受賞した凄腕ユニット。ユニットの顔・杉谷一隆さんはぼくと同じ福岡のご出身で、近年は「地元の仕事を増やしたい」が口癖とか。52歳だそうです。わかる。さて作詞講座。杉谷さんに会って気合いが注入されたせいか、およそ30名の参加者が作った曲全てをその場で講評するという無茶に走ったところ、予定の90分を1時間も上回る長尺講義になってしまった。才能ゼロの子なんていない。でも才能のカタチが自分ではまだ掴めていない子がほとんど。この日のぼくの業務は「君は美しい。なぜなら…」とエビデンスを添えた賛辞を送ること。彼らの自信につながるとよいのだけど。閑話休題。その夜たまたま通りがかったホテルのラウンジから聞こえてきたジャズボーカルとピアノがあまりに素敵で、そのまま酒をオーダー、結局2ステージも堪能。ボーカルの菅原花月さん、ピアノのミランダマサコさん、大人の夜をありがとうございます。ロックが有名とはいえ、ジャズの街でもあるよなぁ福岡は。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください