ナンノが歌う明菜曲に手拍子を打つ2024年になろうとは。(松尾潔)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月26日 9時26分
◆月曜(22日) 早朝から百道浜のRKB本社へ。いつもは東京の仕事場からオンライン出演しているラジオ「田畑竜介グローアップ」にスタジオ生出演。昨年10月から新たにMCに加わった橋本由紀アナウンサーと初めて対面。昨日が24歳の誕生日だったそう。輝いてるなぁ。おめでとうございます。番組では、鹿児島県警や兵庫県庁の所業は公益通報者保護法に違反している、委縮することなく声を上げる〈スピークアップカルチャー〉をこの国に根付かせようと提案したほか、発売間近のアヤ・シマヅ(島津亜矢)の新作アルバムを紹介する。午後は母校・県立修猷館高校の図書館へ。卒業生の著書を集めたコーナーの一隅に、高校時代に耽読した夢野久作『ドグラ・マグラ』と拙著が並ぶさまに感懐を覚える。たしか誕生日もぼくと一緒なんだよなぁ夢久は。その後は図書委員の2年生女子4名からインタビューを受ける。ちょっとタジタジ。で、こちらからも逆質問。愛読書を訊く。辻村深月、宮下奈都、筒井康隆などなど有名作家の名前が返ってくる。お世辞でもぼくの名前とか言わないんだなぁ。うん、これもまたその意気や良し!
◆水曜(24日) プロデュースしたアヤ・シマヅの『アヤズ・ソウルサーチン』の発売日および配信開始日。ソウルの女王アレサ・フランクリンの名曲ばかりを歌い上げたカバーアルバムだ。タイトルに織り込んだ〈ソウルサーチン〉には自分さがしという意味もある。一昨年の暮れから準備に取りかかったこの作品は、当初は昨年のうちにリリース予定だったが、制作期間中に愛犬を亡くしたシマヅが深い悲嘆(グリーフ)に暮れ、レコーディングはしばらく延期する。彼女の悲しみに寄り添うことはできないかと、ぼくはペットロスに向きあう曲を書き下ろして贈った。気に入ったシマヅが急遽それを録音することになったはいいが、感情移入が止まらぬ彼女はスタジオでも心を震わせて泣きつづけ、レコーディングは中断をくり返す。つまりそこにはソウルがあふれていた。「いつでもふたり」と名づけたその曲は、アルバムの最後にボーナストラックとして収めた。
(松尾潔/音楽プロデューサー)
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