男子バレー髙橋藍は「欠点のない男」 代表前監督、高校恩師、親友が語った知られざる素顔
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月31日 17時57分
髙橋藍(C)J MPA
躍進を続ける日本バレーボールの新エースがカメラの放列の前に立ったのは、パリ五輪開幕まで2カ月を切った5月28日のことだった。
日体大在籍中の2021年からプレーしていたイタリア・セリエAから、国内Vリーグのサントリーサンバーズへ電撃移籍。その入団会見には96人の報道陣が集まり、クラブがライブ配信したYouTubeの視聴者数は平日午前10時開始にもかかわらず3000人を超えた。
今回のパリ五輪に臨む日本代表は「最強」の呼び声が高く、1972年ミュンヘン大会金メダル以来、52年ぶりとなる表彰台の期待がかかる。主将の石川祐希(28)とともにチームを牽引する髙橋への注目度の高さを表した。
前回の東京五輪時は大学2年生でチーム最年少の19歳。日本は準々決勝でブラジルに敗れ、「自分のレベルの低さを痛感した」と打ちのめされたが、直後に渡ったイタリアでMVPを獲得するなど飛躍を遂げて、「(3年前と)今の自分は全然違う。チームを引っ張り、支えていく立場」とエースの自覚をみなぎらせる。
東京五輪でアンダーカテゴリーから“飛び級”で代表に招集した当時の中垣内祐一監督は、「運動能力が高く、ボールの扱いも器用でアウトサイドの候補として彼を入れたいと思い、(日本代表に)推薦しました。初めは周囲の抵抗に遭うかなと思ったのですが……」と振り返りながら、「特にディフェンスに関しては粘り強く食らいついていく。守備に関してはアウトサイドでは世界トップクラスだと思います」と太鼓判を押す。
日米ハーフの母と日本人の父を持つバレー界の寵児。母校の京都・東山高の在籍時のバレー部監督で、現総監督の豊田充浩教諭がこんな秘話を明かす。
「人望があって、ほかのクラブの生徒にも友人は多くいました。髙橋の周囲に人が集まってくる感じですね。特筆すべきは何といっても謙虚なところ。決して横柄にならない。(3年時に)国体で優勝した後、教科担当の先生が『あの子はテングにならず、いつも通りにマジメに授業を受けているんです』と私のところに来てベタ褒めでした。勉強も、どの教科もまんべんなくできた。キャプテンとしては背中で引っ張っていくタイプ。うちは朝練はあっても強制はしていませんが、彼は3年になっても毎日来ていました。そんな姿を部員も見ているので、『髙橋がやるなら俺らもやらないと』となる。とにかく『もっと強くなりたい』というストイックさがあり、在学中から女性人気もありましたが、浮つくことはなかった」
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