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「ピータン」は体内の余分な熱を下げ、毒素を排出して炎症を鎮める【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月2日 9時26分

「ピータン」は体内の余分な熱を下げ、毒素を排出して炎症を鎮める【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

ピータンのナムル風サラダ(提供写真)

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】ピータン

 皮膚が、じゅくじゅくただれて痛む……。いったん皮膚が化膿すると、なかなか治りづらく不快なものです。

 化膿とは、傷口に異物や細菌が付着して炎症を起こし、赤く腫れて痛みがあり、膿が出る状態をいいます。傷だけではなく、接触性皮膚炎、汗疹(あせも)、湿疹、かぶれなどかゆみがある発疹、水泡ができる皮膚の疾患においても、化膿は引き起こされます。

 シニアでは、皮膚の乾燥によるかゆみから、その部分をかき壊すことが原因になる場合が多々見られます。また、「とびひ(伝染性膿痂疹)」から起きる場合もシニアに多い傾向があります。

 とびひは、皮膚の細菌感染症で、子供の集団感染で多い水ぶくれができる「水泡性膿痂疹」と、大人にも見られ、かさぶたができる「痂皮性膿痂疹」があります。痂皮性膿痂疹は、小さな赤い腫れから始まって膿みがたまった皮疹ができてかさぶたになり、押すと膿が出る疾患です。年齢が上がるにつれ、水泡性膿痂疹にかかるケースも見られます。

 いずれの疾患においても、シニアは皮膚のバリア機能が低下しているため、一度化膿すると悪化しやすく、治りづらい傾向があります。原因をはっきりさせて塗り薬などの治療を行うとともに、食事でのケアも行うと早期回復に役立ちます。

 中医学では、皮膚が赤く化膿している場合、「熱毒」の状態と考えます。改善のためには、熱を冷まし、解毒作用の高い食材を取り入れることが改善への近道です。

 おすすめは、中華料理の前菜としてもおなじみの「ピータン」。アヒルの卵に石灰、炭、粘土、もみ殻などを塗り、熟成・発酵させたもので、白身が茶褐色、黄味が緑がかった色合いになり、ねっとりとした仕上がりになります。

 その効能は「清熱解毒」。体内の余分な熱を下げ、毒素を排出して炎症を鎮める優れた効能があるのです。熱を冷ます働きが強いので、目の充血や腫れ、喉の炎症や痛み、痰のからみの改善にも役立ちます。また、大腸炎、二日酔いにもよい食材です。

 ピータンの皮膚の化膿を早く改善する効果を高めるには、同様の働きを持つ緑豆もやし、緑豆春雨、タケノコ、セロリ、シジミなどを組み合わせるとよいでしょう。

 化膿は、湿気が多い時期は引き起こされやすく、悪化しがちです。体内に湿気が入り込み、過剰な水分が停滞することが原因です。もともと、水分代謝の悪いタイプはとくに注意が必要です。体内の余分な水分を排泄する枝豆、ソラマメ、キュウリなども合わせて取り入れておくのがおすすめです。

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