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妻の入院で深酒し過ぎた…嘉門タツオさん「急性膵炎」を振り返る

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月5日 9時26分

妻の入院で深酒し過ぎた…嘉門タツオさん「急性膵炎」を振り返る

嘉門タツオさん(提供写真)

嘉門タツオさん(65歳/シンガー・ソングライター)

【独白 愉快な“病人”たち】

「点滴、浣腸、下剤、排尿、排便、採血、MRI/入院3日目/ようやく今日/流動食を胃に入れて/4日目に尿管はずれましたー」

 これは退院直後に作った「急性膵炎の歌」の冒頭です。まだ曲はつけていませんけど(笑)。

 私が「急性膵炎」と診断されたのは2022年8月でした。その少し前からお腹が張ってきて、排便排尿に支障を来すようになりました。かかりつけ医に浣腸してもらっても歩くと痛いなどの不自由が出てきたので、大きな病院で検査をしたら「即入院」でした。

 急性膵炎は膵臓から膵液が漏れてほかの臓器に悪影響を与える病気です。いろいろ調べた結果、膵臓がんではなかったのが不幸中の幸いでした。

 治療は水分を体に入れ、尿として排出すること。点滴で1日3リットルの水分を入れられました。全身を点滴で洗うような感じです。入院は1週間ほどで終わりました。

 原因はやっぱりアルコールだと思います。ちょうどその頃、うちの妻が入退院を繰り返していました。彼女は20年前に脳腫瘍を患って摘出手術を受けていて、その後、私と結婚しました。14年連れ添って、通院しながら平穏に過ごしていたんですが、2022年5月に腫瘍が9センチまで大きくなって、再び開頭手術をしたのです。その後いったん家に帰ってきたんですけど、2週間ほどして再び入院となって9月15日に亡くなりました。

 その一時帰宅の間は、ほぼ100%、彼女の介護をする生活でした。たった2週間でしたが、介護が日常化した最中に2度目の入院になったので、急に身を持て余してしまってお酒に走ったんですよね。妻の行く末がわからない、でも希望もある……そんな気持ちの不安定で深く飲み過ぎてしまいました。

 もともと夫婦そろってワイン好きで、料理との相性を楽しむのが日常でした。眼科医だった彼女は、脳腫瘍でメスが握れなくなったその絶望を食への探求心に変えた人。「食べたいものをがまんして長生きする意味があるのか?」という考えの下、2人で毎日ワインとシャンパンを空けていました。そんなアルコールの下地の上に深酒が重なって、病気を呼び込んでしまったんだと思います。

 妻も病院、私も病院で、LINEしあった時期もありましたね。

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 退院後に妻が他界し、半年間ほどお酒はやめました。膵臓の数値は良くなり、年末年始のライブツアーも無事に終え、ホッとして少しだけ飲んでしまって車で接触事故を起こしてしまい、つい最近まで1年間自粛・謹慎していました。

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