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認知症になると本当に間違えたことを他人のせいにするようになるのか

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月6日 9時26分

認知症になると本当に間違えたことを他人のせいにするようになるのか

写真はイメージ

【第一人者が教える 認知症のすべて】

 最新医療に裏付けされたさまざまな認知症予防プログラムを配信する「オンライン健脳カフェ」。毎週金曜日の11時半から12時まではライブ配信を行っています。

 そこではみなさんにお伝えしたい情報を私がお話しするほか、ライブ配信中は随時、視聴者の方からの質問をチャット機能などを通して受け付けています。その日の話の内容と全く関係のないことでも大歓迎。日頃から気になっていること、悩んでいること、素朴な疑問など、私へ聞きたいことをなんでも送ってもらっています。今回はライブ配信に寄せられた質問をいくつか紹介しましょう。

「できないことや間違えてしまうことを、他人のせいにするのはなぜ?」という質問。アルツハイマー型認知症のご家族がいる方では、ご家族のこれまでを思い出し、「確かにそういうことがある」とうなずいたかもしれません。捜していた眼鏡がまさかの冷蔵庫の中で、「お母さん、こんなとこに入れて!」と指摘したら、「私はやっていない!」と怒って返されるというような……。

 できないこと、間違えたことを他人のせいにするのは、認知症だからではありません。大人も子供も誰にでも見られます。人間にはプライドがあり、プライドが傷つけられると怒りが生じ、否認に走る。全くもって正常な反応です。

 認知症で、以前は難なくできたことができなくなってくると、不安を覚えます。家族に迷惑をかけているのではないかという申し訳なさが生まれます。なぜできないのだろうという不甲斐なさも生じるでしょう。しかしそれを人に指摘されたり批判されたりすると、腹が立ってしまう。

 また、「自分はやっていない/知らない」という時、嘘をついているのではなく、自分がやったことを忘れているために、そういう言葉になっている可能性もあります。人のせいにしてしまうのは、やった覚えがなく、記憶の抜けを埋めようとしているのもあるのかもしれません。

アルツハイマー型認知症でも食べた内容、味は忘れない

 アルツハイマー型認知症だというその質問者さんは、「見当識障害はあるが、前日に食べたものや、その味は覚えている。味覚の記憶は残りやすいのか?」。

 見当識障害とは、時間や場所、人物を認識・理解する能力が低下した状態をいいます。記憶障害と並んで比較的早くから現れる障害で、例えば時間に関して認識しづらくなると、出発の時間に合わせて準備をするのが難しくなったり、長時間待てなくなったりします。

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