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やり投げ北口榛花 東京五輪から格段に上がったメダルへの期待…専門家が語る「ここぞの集中力」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月9日 11時11分

やり投げ北口榛花 東京五輪から格段に上がったメダルへの期待…専門家が語る「ここぞの集中力」

北口榛花(C)ロイター

【パリ五輪】女子やり投げ決勝(日本時間11日未明スタート)

 前回の東京大会では日本勢57年ぶりの決勝進出を果たすも、55メートル42で12位。夢のメダルには届かなかったが、今回の期待度はまるで違う。2022年のダイヤモンドリーグ(DL)で日本史上初の優勝。同年の世界選手権では日本陸上女子フィールド種目で戦前戦後を通じ五輪・世界選手権で史上初となる銅メダルを獲得した。昨年8月の世界選手権ではついに金メダルを手にして日本中を沸かせた。

 その1カ月前のDLシレジア大会で、シーズン世界最高(当時)の67メートル04の日本新記録で通算4勝目を挙げ、そこから今年6月22日の「WAコンチネンタルツアー」(フィンランド)で敗れる(2位)まで、国内外の大会で11連勝。パリ五輪は堂々の金メダル候補として臨む。

 北口の日大時代の監督でパリ五輪のテレビ解説を担当する小山裕三氏(佐野日大短大学長)が言う。

「北口の自己ベストは67メートル38。今季最高は6月22日にフィンランドの大会で出した64メートル28でした。パリ五輪を考えれば、62メートル87の記録で優勝した日本選手権(6月28日)では65メートル以上は投げておきたかった。世界で今季65メートル以上を投げている選手は3人しかいない。五輪本番は風などの条件で記録は変わってきますが、ここで65メートルを投げておけば自分自身も気持ちが楽になったし、メダルを争うライバルたちにプレッシャーをかけることもできたからです。パリ五輪は条件が良ければメダル争いは66メートル前後。67メートル以上投げれば金メダルが見えてきます」

 北口にとっての好条件はライバルたちとは異なる。やり投げや円盤投げはスキーのジャンプ競技と同様、空気抵抗を利用して揚力を得ることができるので向かい風の方が有利だ。

「体が柔軟で身長(179センチ)が高い北口の場合、やりを投げる角度が他の選手よりはるかに高い。向かい風より追い風の方が距離が出るのです。北口自身も追い風の方が得意と言っています。選手は風向きをコントロールすることはできませんから、本番まできっちり調整して欲しいです」

 小山氏がこう言って不安視していたのは6月の日本選手権の結果だ。北口は6回投げてファウル3回。優勝したのは2回目の記録だった。

「正直、調整が順調に進んでいない印象を受けました。パリ五輪で金メダルを取るため、もう一歩先を目指し、コーチと話し合ってフォームなどを少し改良しているのかもしれません。ですが、DLモナコ大会(12日)で、今季最高を更新する65メートル21で優勝。自分のタイミングをつかみかけてきた。安心感につながるし、強敵に重圧を与えることもできた。近年の北口は、ここぞという時の集中力は驚異的です。最終6投目の強さがそれを表しています」

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