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俳優・三浦浩一さん「カンヌ映画祭のレッドカーペットを歩きたい」 【死ぬまでにやりたいこれだけのこと】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月13日 9時26分

 まったく毛色の異なる作品が3本。カンヌが無理なら、ベネチアでもいいしそれ以外でも。思い返せば、ガキの頃から俳優になりたい、カンヌに行きたいと周りには言ってきた。改めて言葉にして、自分で自分の尻に火をつけ、今は絶対に行くという気持ちです。

■妻・純アリスの夢もかなえたい

 妻だった純アリスのためにやりたいこともあります。アリスは5年前に亡くなりました。彼女は僕と同時期にキッドに入ったスターです。最初の頃、彼女は僕のことが嫌いで、僕もテレビやCMの売れっ子で、歌手もやっていた彼女を、いい気になっているとよくは思っていなかった。当時の僕は「怒りの三浦」と言われ、気持ちがすさんでいましてね。人付き合いが嫌で仕方がなかった時期でもあった。

 それなのにアリスと結婚することになり、ボスの東に報告したら、表面上は「おめでとう」と喜んでくれたけど、彼女はスターですからね、東もいろいろと思うところがあったみたい。僕がアリスに、「家庭に入ってくれ」と言ったことも周りからはよく思われなくて「三浦なんかと一緒になって」とか言われ、2人とも疲れちゃった。それならと2人でキッドをやめました。

 でも、彼女は3人の子供を育ててくれた。なのに最後の方は離れて生活して、寂しい思いをさせた。そのことは今も後悔しています。彼女が亡くなる少し前に後輩の俳優にこう言ったそうです。

「私ね、『シアター365』みたいな劇場をつくるのが夢なの。それをつくるまでは頑張るわ」

「シアター365」は新大久保の職安通りから路地に入ったビルの地下にあった毎日芝居をやる小さな劇場です。お金もかかるけど、それをかなえるのが僕の夢ですね。やらなきゃならないことも多いし、余裕ができたらの話ですけどね。

■「リア王」で初めてシェークスピアにチャレンジ

 演出の仕事もやってみたい。今では汗と涙の東京キッドの芝居を知らない人も多い。僕はキッドのおかげで今があるわけだから、東の七周忌の時に「GOLDEN BAT」を再現しようと思った。キッドは台本がない劇団ですが、ニューヨークのシアターでやった時に録音したテープが見つかり、セリフを起こしたりして池袋シアターグリーンで上演しました。プロデュースも演出も経験がない僕が、です。あの時は東が降りてきたのかと思いました。大赤字にはなったけど。でも、これぞ男の仕事と思いました。演出の仕事をもう一度やってみたいですね。

 東京キッドといういわゆるアングラみたいな劇団育ちなので、本格的なシェークスピア劇はやったことがありませんでした。今回の「リア王」が初めてです。正統派の芝居を僕がやるのは違うよな、やりたくない、避けて通りたいと思いながらここまで来ました。

 でも、横内(正)さんに声をかけていただき、一度は役者としてやっておくべきじゃないかと思うことができました。世界中で愛され、上演されているシェークスピアの作品をやることで、もう一つ上にいくことができるかなと勝手に思っています。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)

▽三浦浩一(みうら・こういち)1953年、鹿児島県出身。77年、東京キッドブラザースに入り、時代劇「鬼平犯科帳」の密偵・伊三次役などで活躍。シェークスピア原作「リア王」(三越劇場、8月29日~9月2日)では主演・横内正(写真・右)、三浦は忠臣のケント伯を演じる。

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