お盆休みにパリ五輪の余韻を楽しむ映画5作品はコレだ 評論家が厳選
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月15日 9時26分
■100年前のパリ五輪が舞台の感動作「炎のランナー」
五輪を扱った映画といえば「炎のランナー」(ヒュー・ハドソン監督、1981年)も忘れられない。100年前のパリ五輪が舞台で、当時の開会式の様子が再現されているのも興味深い。ユダヤ系陸上選手エイブラハムス(ベン・クロス)と敬虔なクリスチャンであるエリック・リデル(イアン・チャールソン)ら陸上英国代表選手が差別や宗教的葛藤に直面しながらも金メダルを獲得する姿を描き、アカデミー賞作品賞を受賞。ギリシャ人作曲家バンゲリスがシンセサイザーで手掛けたテーマ曲は誰しもが一度は耳にしたことがある定番で、こちらも作曲賞を受賞している。
今回のパリ五輪全体の象徴は何といってもエッフェル塔だが、開会式でセリーヌ・ディオンがエディット・ピアフ「愛の讃歌」を熱唱する演出は圧倒的だった。そのエッフェル塔を描いた映画が「エッフェル塔~創造者の愛~」(マルタン・ブルブロン監督、2021年)。1889年パリ万博向けシンボルとしてパリのど真ん中に300メートルの鉄塔を造る案を提案した技師ギュスターブ・エッフェル(ロマン・デュリス)だが、建設反対の猛批判を浴びる。「ノートルダム大聖堂より高いのは侮辱だ」とバチカンが批判するシーンも登場、「いつの時代も……」という既視感を覚える。批判と難工事にもめげずにエッフェルは工事を完成させるが、実は彼には引き裂かれた最愛の人アドリエンヌ(エマ・マッキー)がいた。エッフェル塔のデザインはそのアドリエンヌのイニシャル「A」の形に見える。つまりエッフェル塔自体が壮大な「愛の讃歌」ともいえるわけで、開会式におけるセリーヌ・ディオンの神がかった「愛の讃歌」熱唱はこれからも語り継がれるだろう。
▽北島純(きたじま・じゅん)映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。
◇ ◇ ◇
パリ五輪が終了したが、特に印象的だったのは、やはり、選手の敗戦時の表情だ。●関連記事【もっと読む】なぜ阿部詩は号泣し、須崎優衣は嗚咽したのか…溢れ出る悲壮感はメダル連発スケボー選手と天地の差…では2選手の表情について伝えている。
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ワクワクの展開の連続だったパリ五輪開会式 蜷川幸雄さんが生きていれば誰よりも…
日刊スポーツ / 2024年8月5日 7時0分
-
世界の歌姫セリーヌ・ディオン、難病を乗り越えパリ五輪開会式で復活唱「心から感謝」
ORICON NEWS / 2024年7月29日 11時54分
-
団結の象徴、人気歌手起用 五輪開会式の芸術監督ジョリ氏
共同通信 / 2024年7月28日 18時54分
-
パリ五輪のこの開会式を、なぜ東京は実現できなかったのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月28日 11時34分
-
パリ五輪開会式で世界が泣いた感動シーン 闘病中の世界的歌姫が…「言葉では言い表せない」
THE ANSWER / 2024年7月27日 9時13分
ランキング
-
1不適切投稿で契約解除の女子アナ 所属事務所が理由と経緯を説明…発表全文
スポーツ報知 / 2024年8月16日 18時45分
-
2「GANTZ」作者 日テレ系番組に苦言「急に呼び捨てで笑われてて」「取材依頼とか来ても絶対受けない」
スポニチアネックス / 2024年8月16日 18時58分
-
3日向坂46松田好花「放送作家 松田好花」カットシーンへの本音「心がズタズタになってきちゃって」
モデルプレス / 2024年8月16日 14時40分
-
4粗品、フワちゃんへの意外なイジりに「こんな愛ある角度」「熱い」“助け舟”に秘めた真意とは
女子SPA! / 2024年8月16日 8時47分
-
5『聲の形』は不快になるのが前提の映画? 拒否反応が出た理由と作中の回答とは
マグミクス / 2024年8月16日 20時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください