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金針菜は「血」を増やす効果が高く、ふらつきの改善に効果的【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月16日 9時26分

金針菜は「血」を増やす効果が高く、ふらつきの改善に効果的【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

金針菜の中華風造血きんぴら(提供写真)

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】金針菜

 最近なんだかふらつく。頭や身体がグラグラする感じがする……。日常的に「ふらつき」が多いと不安なものです。

 頭のふらつきは、年齢が上がるほど起きやすい症状です。加齢によって身体の平衡感覚を維持する三半規管の感度や、前庭機能は衰えていきます。加えて、筋肉など身体の維持と歩行に関連する器官の老化、脳の働きが低下することによってバランス認知力の衰え、老眼や白内障による視覚情報の取得力が減るといった要因が重なり、ふらつきやすくなるのです。

 老化による機能の低下だけではなく、脳、心臓、耳の疾患からくるものや、貧血、栄養不足、薬の副作用が原因となる場合もあります。

 いずれにせよ、生活の質が下がる原因になるうえ、シニアにとっては転倒のリスクにつながります。健康長寿のために、食養生を心がけましょう。

 中医学において、頭のふらつきは、身体を滋養する成分である「血」が不足した「血虚」という状態の場合に多く見られると考えます。血は中医学では、西洋医学の「血液」としての要素だけではなく、全身に流れて身体のすみずみにまで栄養を与える液体と考えます。五臓六腑や筋肉、骨を養って生理機能を保ち、目や皮膚、髪も滋養しています。

 そして、血は脳の滋養にも欠かせません。血が不足して脳に栄養が行き届かないとふらつき、めまい、立ちくらみといった不調を引き起こしやすくなるのです。そのうえ、脳の栄養不足は認知能力の低下を引き起こします。「脳トレ」のためにも血は重要なのです。

 しっかり血を補うためにおすすめなのが「金針菜(きんしんさい)」。ユリ科のホンカンゾウやヤブカンゾウなどのつぼみで、日本ではあまりなじみがありませんが、中華料理によく使われる食材です。中華食材店などで入手できるのでぜひ、利用してみましょう。

 血を増やす効果がバツグンに高く、頭のふらつき、めまいの改善に効果的。また、栄養学的にも鉄分がホウレンソウの約20倍と豊富に含まれているという貧血改善に優れたパワーがあります。

 また、金針菜は薬膳において精神安定に威力を発揮する食材としても多用されています。その別名は「忘憂草」。落ち込み、うつ、不眠に高い効果があるのです。身体にこもった熱を冷ます作用があるので、夏バテにもよく、むくみ、耳鳴りの改善にも役立ちます。

 金針菜は主に乾燥したものが流通し、水で戻して使います。ぜんまいや芋がらに似た食感でクセがなく、炒めもの、スープ、おひたしなど幅広く利用可能です。和洋中どんな調理でも、美味しくいただけます。

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