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加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある【人生を変えた一曲】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月19日 9時26分

 押しかけマネジャーもいました。僕がミルクって、あだ名をつけました。彼がマネジャーになって京都会館で開かれたのが「全関西エレキバンド・コンテスト」(66年)。要するに、アマチュアバンドのコンテストです。20組近く参加したのかな。僕らはバンドを始めてまだ半年もたっていないから、一番下手っぴだったと思います。その時に、半年だけ楽器を触ったくらいじゃ演奏しても持たないし、ベンチャーズみたいにギターとかの音だけじゃつまらないというので、引っ張ってきて入れたのが沢田です。

 そのコンテストで僕らがやったのはザ・ローリング・ストーンズの「サティスファクション」です。ラジオで先に聴いたのはビートルズで、ストーンズはその後だったと思う。ビートルズはレベルが高すぎて、そのよさがわかってきたのは後からのこと。それに比べてストーンズはわかりやすかったからね。

 ダッダン、ダダダーンという「サティスファクション」のイントロなんて、僕らが最初に聴いたエフェクターの音だったと思う。割れるようなファズトーンの。今はオーバードライブというのかな。あんな音を聴いたのは初めてだった。かっこいいなと憧れました。

■「サティスファクション」はものすごく簡単

 ただ、楽器を触ってまだ半年もたっていないわけだから、まさかコンテストで優勝するとは思ってもいなかった。出たのはアマチュアとはいっても、うまい人ばかりだったから、僕らが優勝って言われて、えっ? でしたね。インパクト、印象が強かったとか言われたりしたけど。後から聞いたら、押しかけマネジャーのミルクがコンテストの合間に楽屋裏に審査員を呼び出していたというんです(笑)。何かなければ、うまい人が集まっている大会に出て、僕らが優勝するわけないですよね。

 演奏してみると「サティスファクション」はものすごく簡単。あの時代のロックシーンの中でも簡単な方だったと思います。ストーンズはメジャーのスリーコード系ですからね。基本はブルースバンドです。でも、それが画期的だった。ただ、雰囲気がないとかっこよくないというのはあるけど。それに比べると、ビートルズはものすごく複雑なコードを使っていました。

 いずれにしてもストーンズもビートルズが出てきて、世界が新しくなった。ファッション的にもカルチャー的にも音楽的にもかっこよくて。ワクワクドキドキしましたね。

 ストーンズの中で一番好きだったのはブライアン・ジョーンズです。早くに死んじゃいましたけどね(69年)。ストーンズのコンサートはショーアップするようになり、エンターテインメントしていきます。でも、ブライアンは客に媚びないというか、自然のまんま、ニコリともしなかった。それがよかった。

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