子供の顔を見ながら泣きました…お笑い芸人の植山由美子さん乳がんを語る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月19日 9時26分
お笑い芸人の植山由美子さん(天然もろこし)/(提供写真)
【独白 愉快な“病人”たち】
植山由美子さん(天然もろこし/44歳)
=乳がん
◇ ◇ ◇
「がん」と宣告されたら「すぐ死ぬ」と思っていたんです。でも2日経っても「死んでないやん」ってなって(笑)。「じゃ、悩んでもしょうがない。悩んでいるのを見ている人もしんどいだろう」と思って、そこから頭を「治療」に切り替えました。
左胸のしこりが手に触れたのは2022年の夏。子供が2歳で、授乳が終わるか終わらないかぐらいのときだったので、「乳腺炎かな」と思いました。何度か経験があり、しばらくすれば消えるだろうと思っていたのです。でも半年経っても消えず、むしろ大きくなっていたため、「もしかして……」と乳がんを疑い始め、ドキドキしながらかかりつけ医を受診しました。
午前中の触診では「乳腺の腫れだと思う」と言われたのですが、エコー検査をしてみると先生の様子が変わり、「ちょっと怪しい」ということになりました。「午後にマンモグラフィーをしましょう」と勧められ、いったん家に帰されたとき、「また行くってことはそうなんやな」と、ある程度覚悟しました。
マンモグラフィー検査で「乳がんがほぼ確定」となり、大きな病院で精密検査をすることになりました。「うわぁ~」と思い、家に帰って子供の顔を見ながら泣きました。
精密検査の結果、「ステージ2b」と告げられ、治療は抗がん剤、手術、放射線の順になりました。現在は、その後のホルモン治療の段階です。
2023年4月にがんが確定してから、私のがんのタイプを調べて、それに合う抗がん剤投与が5月からスタートしました。半年間を前半と後半に分けて、2種類の抗がん剤を投与しました。アレルギー反応などをみるために、各薬の初回だけ数日間の入院が必要でしたが、その後は3週間に1回の通院で、1回2時間の点滴投与です。
副作用はむちゃくちゃしんどかったんですけど、当初の抗がん剤のイメージは、もっと吐くし、もっと寝込んで、どうしようもなくなると思っていたので、想像ほどではなかった印象です。そうはいっても、全身がしびれるし、関節痛だし、口の中は常に苦くて、何を食べてもおいしくない。今思うと、やっぱりかなりしんどかったです。ただ、最近は副作用を予防する薬が開発されていて、先に点滴されるから昔ほどではないのだと思います。
発覚時に2.5センチあったがんを抗がん剤で小さくして、手術で部分切除し、12月は丸々休んで、翌年1月から1カ月間放射線治療を行いました。
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