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子供の顔を見ながら泣きました…お笑い芸人の植山由美子さん乳がんを語る

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月19日 9時26分

 照射の時間はわずか1分ぐらいですが、そのために平日は毎日病院に通わなくちゃならないのが面倒でした。並ぶ患者の顔ぶれもだいたい毎日同じで、いつしかおいしいごはん屋さんの情報交換などをするようになりました。放射線は痛みがないし、みんな明るくて、その頃には、がんのイメージはだいぶ変わりました。

■常に10種類以上の薬が処方されている

 現在はホルモンを止める薬を飲んでいます。このがんは、女性ホルモンをエサとして増殖するらしいので、それが出ないように止めたり、サイクルを狂わせる薬を飲むのです。

 この薬にはお腹を壊す副作用があって、いつギュルギュルするか予測がつかないのが問題で、仕事復帰に二の足を踏む人が多いそうです。だから、そのためのお薬もあるんです。薬を飲むための薬が必要になるので、薬の量がどんどん増える感じです。

 私の場合、10年飲むホルモンの薬、2年飲むホルモンの薬、お腹が壊れたときの薬、痛みがあるときの薬、便秘になったときの薬……と常に10種類以上の薬が処方されていて、症状によって自分で選んで飲むんです。薬の種類や量を間違えないようにしなければならないので、メモ書きがすごいことになっています。

 おかげさまで、8月から完全復帰させていただきました。試運転として5月に少しだけ仲間の舞台に出させてもらったときは、副作用のことがあるので、前もって「途中でトイレに行くかもしれへんけどいい?」と確認をとりました。なんとか途中でトイレに行かずに済みましたけど、ホルモン治療は10年続くので、その間はこの副作用と付き合っていくことになります。

 つらかったのは、治療と子育ての両立でした。抗がん剤治療の頃は家にいても体力的にしんどくて、思うように育児ができない心のしんどさも重なりました。入院中に母や叔母が子供を預かってくれたことが、どれだけありがたかったか……。周りのサポートの大切さを思い知りました。

 私は今でもがん治療中の身。でもスーパーにも行くし、保育園の送り迎えもします。一見、普通の元気なお母さんに見えると思います。がん治療中かどうかなんて誰もわからない。街の中には、病気であれ何であれ、しんどい思いをしている人がたくさんいる。それに気づかされました。

 今までは親に「ありがとう」とか素直に言えなかったんですけど、「がん」という“照れてる場合じゃない状況”を突き付けられたことで、言葉にできるようになりました。子供とのハグも照れるタイプだったんですが遠慮せずにギュ~ッとしてます。ダンナ? ダンナとはしないですね(笑)。

(聞き手=松永詠美子)

▽植山由美子(うえやま・ゆみこ)1980年、大阪府出身。2002年に松竹芸能養成所に入所し、関根知佳とコンビを組む。06年に第27回ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞を受賞。10年から「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」(フジテレビ系)に出場し、注目された。20年に結婚。夫は芸人のトライアングル・森直樹氏。

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