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マジシャン矢神潤さんは白血病など4回の命の危機を乗り越えた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月26日 9時26分

マジシャン矢神潤さんは白血病など4回の命の危機を乗り越えた

矢神潤さん(提供写真)

【独白 愉快な“病人”たち】

 矢神潤さん(マジシャン/53歳)
  =急性骨髄性白血病ほか

  ◇  ◇  ◇

 急性骨髄性白血病を2回、心筋梗塞、間質性肺炎(一般的な肺炎も併発)、おまけに難病の「慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)」も患い、主治医には「ギリギリで生きている状態だから」と言われながらもマジシャンと講演家をしながら毎日を楽しく過ごしています。

 1度目の白血病を発症したのが2005年、35歳の時。当時勤めていた会社の健康診断で発覚しました。まったく自覚症状がなかったし、テレビでしか聞いたことがない病名だったため、初めは実感すらありませんでした。でも、医師からは1週間遅かったら間違いなく命を落としていたと言われました。

 治療はかなり過酷でした。抗がん剤の副作用に悩まされたり、うつ病になったりで、何度あきらめかけたことか。本当につらく苦しい治療でした。2人きょうだいで奇跡的に白血球の型が合った姉にドナーになってもらい、骨髄移植をしました。そして家族や仲間に支えられながら克服し仕事復帰も果たしました。

 白血病の治療でたくさんの輸血を受けました。献血に協力してくれた方々に恩返しがしたくて、趣味でやっていたマジックを人前でショーとして披露するようになりました。見てくれたお客さまの中に献血に協力してくれた人がいて、その人が笑顔になってくれたら恩返しになるのかなと思ったのです。

 白血病を克服して11年経った2016年、46歳の時、仕事もマジシャンの活動も順調で楽しく過ごしていたある日、夜中に胸の激痛で起こされました。「どうした?」と思いながらも朝までなんとか我慢して病院に行こうと思っていたら、妻に「すぐ病院に行こう」と言われ、病院へ。検査を受けたところ、「急性心筋梗塞です」と言われ、そのまま緊急手術となりました。この時も「朝まで我慢していたら間違いなく命を落としていた」と言われました。

 3時間の手術の甲斐あって命が助かり、1年半の自宅療養を経て、仕事とマジシャンの復帰を果たしました。

■時には自殺を考えたことも…

 そしてまた大病を発症することに……2018年、48歳の時、克服したはずの白血病が再発したのです。この時は首のリンパ節が腫れており、血液検査をしたところ血液データに異常があったので、ひと目見て「白血病かな?」と思い、紹介状を書いてもらって総合病院で検査を受けたら、やはり急性骨髄性白血病でした。

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