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マジシャン矢神潤さんは白血病など4回の命の危機を乗り越えた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月26日 9時26分

 1回目の白血病から13年経って再発とは……とショックは大きかったです。でも、必ず克服して元気になると誓い、病気に立ち向かうことにしました。ただ、2回目の白血病、おまけに心筋梗塞まで経験していることから治療は体にかなり負担がかかり、予期せぬことが起こるケースもあると言われていました。この時も姉にドナーになってもらい、末梢血幹細胞移植をしました。

 その後、このまま助かると思っていた矢先に足のしびれがだんだんと酷くなり、そのしびれが胸の辺りにまで広がって感覚がなくなり、立つことも歩くこともできなくなりました。そこで、いろいろと検査をした結果、難病指定されている「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」との診断でした。神経内科の主治医からは「治療はするが、二度と歩くことはできないかも」と言われました。それでも、つらく過酷なリハビリを続けて、杖をついて歩くまでに回復。白血病再発から2年半で復帰を果たしました。

 しかし、立て続けに2021年、50歳の時に間質性肺炎と一般的な肺炎を併発し、救急車で搬送されてこれもまた命の危機にさらされることになりました。それでも助かり、今こうして4回の命の危機を乗り越えながらも生きています!

 これだけの病気に好かれ、時には自殺も考えたこともありましたが、闘病中の沈んだ気持ちを前向きにさせることによって、病気や治療と向き合うことができました。

 そのための方法は、まず気持ちが落ちそうな時は呼吸が浅くなって余裕がなくなるので、深呼吸をするクセをつける。また、「なぜ?」を追求しない。「なぜ病気になった?」や「病気になった原因は?」といった「なぜ?」ばかりを調べても、良くないことばかり書いてあって、余計に落ち込んでしまうからです。そこを調べても病気は治りません。

 あとは集中できることを見つけ、病気のことを考えないようにする。また特に大事なのは、人と話して笑うことです。笑うと免疫力が上がるといわれています。落ち込むと声を出さなくなってしまいます。なので、声を出すこと、笑うことです。さらに「病気は治って当たり前」の気持ちで治ってからのことを考えるようにしました。たとえば、僕は生モノが禁止だったので、「治ったらお寿司を吐くくらいまで食ってやる!」と思っていました(笑)。

 このように気持ちを前に向かせることによって、僕は病気を克服することができました。でも、もちろん家族や仲間にもたくさん助けていただきました。本当に感謝しています。特に妻には凄く助けられました。

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