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40代でも危険…要介護リスクを上げる「ロコモティブシンドローム」4つの困難を見逃すな

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月10日 9時26分

40代でも危険…要介護リスクを上げる「ロコモティブシンドローム」4つの困難を見逃すな

「階段の上り下り」など「ロコモサイン」を見逃すな

 将来、要介護のリスクが高くなる「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」。国内の40代以上のロコモ人口は4660万人と推計され、糖尿病(疑われる人を含む)や高血圧の患者数より多い。「40代以上」が示すように、ロコモは高齢者だけの問題ではない。

  ◇  ◇  ◇

 ロコモとは、よくある言い回しを用いるなら「足腰が弱って、立つ・歩く・作業をするなどに支障が生じる」こと(下記①)。

「膝が痛くて歩くのがつらい」「トロトロしたスピードでしか歩けない」「よろけた時に体を支えられない」などは、ロコモが進行している可能性がある。この先、リスクが高くなるのは転倒や骨折だ。

 日本整形外科学会によると、整形外科手術の1~5位(2022年度年次報告書)は骨粗しょう症による骨折、または変形性膝関節症に対するもので、要支援・要介護の原因の24.8%を運動器障害(転倒・骨折、関節障害、脊髄損傷)が占める。これは認知症(17.6%)を上回る。

 つまり、生き生きと好きなように動いて人生を全うしたければ、ロコモ対策が必須なのだ。

「よく聞かれる質問として、『年を取ると、みんな足腰が弱くなる?』というものがあります」

 こう言うのは、埼玉県立大学保健医療福祉学部准教授の山田恵子医師。これはイエスでもあり、ノーでもあると続ける。

「年を取ると確かに足腰が弱りますが、人によってかなり個人差があります。年齢と歩行機能を調べた論文に対し、集団の平均値では加齢とともに歩行機能が徐々に落ち、70代で急激に低下します。一方、個人の低下に注目すると、ある人は80代までほとんど低下しない、ある人は65歳くらいで一気に、ある人は50代で少しずつ低下が速くなり80を越えたらもっと悪くなる。『70代で歩行機能が低下するから対策を』ではなく、悪くなり始めのサインを見分けて、その人に合ったタイミングで対策を講じる必要があるのです」

■1つでも該当したら要注意

 日本整形外科学会では、20代以上の男女1万人を対象に、体の状態や生活状況に関する調査を実施し、整形外科への通院患者を対象とした先行研究とあわせて分析した。結果、ロコモになる前の最初の兆候「ロコモサイン」が初めて明らかになった。それは「4つの困難」だ。

「『階段の上り下り』『急ぎ足で歩く』『休まず歩き続ける』『スポーツや踊り(ジョギング、水泳、ゲートボール、ダンスなど)』が困難ということです。これらの活動性に関する4つの困難のうち1つでも該当するなら注意が必要です」(山田医師=以下同)

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