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近代五種 正式種目入りから112年目にして日本勢初の表彰台に立った佐藤大宗の秘策とは?【日本代表選手が明かす!パリ五輪㊙ウラ話 】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月18日 9時26分

ーー五輪本番でメダルを確信したのは、どの種目ですか?

「自分がミスしなければいけるかなと思ったのが、馬術を終えてからです。最初の馬術でノーミスで帰って来られたら、いけるかなと。W杯で日本人初のメダルを獲得した時も馬術から勢いに乗った。最初からノーミスでいかないと自分の場合は引きずって崩れてしまうので、どれだけ最初にパフォーマンスを発揮できるかが重要でした。準決勝、決勝とノーミスで来られたのは、今までの競技人生でも初めてでした。どの種目が良くて、どの種目が悪いということが多かったのですが、あれほどうまくいくとは」

ーー最後のレーザーランではメダル圏内の選手との6秒差を巻き返しましたが、秘策はあったのですか?

「今回、金メダルを取ったアハメド・エルゲンディ選手(エジプト)はレーザーランが強くて、特に射撃が速い。その射撃を何とかコピーしたくて、国際大会でのエルゲンディの射撃を自分で動画に撮って3年間かけて研究しました。エルゲンディはランニングから射座に入って銃を握って撃つまでが速い。射撃では多くの選手は足場やフォームを固めて1、2、3で構えるものですが、エルゲンディの場合、1、2の間で撃てるのです。このタイム差は大きく、4回の射撃でトータル5~10秒は変わってきます。そのタイムを短縮した射撃を3年間、研究してつくり上げました」

ーー射撃がレベルアップしたのですね?

「最初の撃ち出しが他の選手よりも速くなり、1回の射撃につき1秒短縮してトータルで4秒ですが、ランニングと合わせると差をつけられるようになりました」

ーー本番でマークしていた選手はいましたか?

「東京五輪で韓国勢初のメダル(銅)を獲得した全雄太選手です。今年6月の世界選手権(中国・鄭州)では3位に入り、パリでもメダル候補のひとりでした。射撃を得意としており、ランニングも決して遅くはない。その全選手は射撃でミスが続出しましたが、心理戦で自分が優位に立てたからだと思います。最後の競り合いで、先に自分が射撃を終えて走り出し、全選手が追いかける展開が続き、心理戦に入っていました。自分の方がランニングは速いと自負があったので、仮に全選手に追い越されても、付いていって射撃勝負と。全選手としては得意の射撃で少しでも離したかったはずで、逆に自分に離されて焦っていたのでしょう。その時点で心理戦に勝っていました。自分が最後までベストパフォーマンスを発揮できたのが勝敗を分けたのではないでしょうか」

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