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子宮頚がん予防…HPVワクチン接種後の不調が生じやすい3つ理由

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月18日 9時26分

子宮頚がん予防…HPVワクチン接種後の不調が生じやすい3つ理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 子宮頚がんを予防するHPVワクチンの積極的勧奨が2022年4月に再開されたが、接種率は依然、低いままだ。本紙9月4日号に続き、HPVワクチンについての情報をお届けする。

  ◇  ◇  ◇

 大阪大学大学院の八木麻未特任教授らは7月、積極的勧奨再開後も接種率が回復していないことを米医学誌「JAMA Network Open」(オンライン版)で発表した。

 それによると、個別案内を受けた2004~09年度生まれの女子の累積接種率は平均16.16%、積極的勧奨が再開された世代(2010年度生まれ)は2.83%。22年度の各学年の接種率が23年度以降も維持されたと仮定すると、定期接種終了の年度までの累積接種率は43.16%で頭打ちとなるという。子宮頚がん排除のためにWHOが設定する目標値90%の半分にも満たない率だ。

「日本はかなりのHPVワクチン後進国。ワクチン接種率が高い国では、子宮頚がんはまれながんになりつつあり、子宮頚がんで亡くなる人が今後いなくなるのでは、ともされているのですが……」

 こう言うのは、優レディースクリニック(東京・池袋)の坂田優院長。世界的傾向に反し、日本では子宮頚がんの罹患率及び死亡率は低下せず、毎年約1万人子宮頚がんと診断され、3000人近くが亡くなっている。

 罹患年齢が出産年齢ピークの30~34歳に重なっていることからマザーキラーとも呼ばれる。

 子宮頚がんは主にHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染で発症し、HPVは性交渉で感染する。だから、最初の性交渉の前に接種することが望ましい。

「通常、接種は3回で完了。しかし15歳になる前に接種すると免疫がつきやすいため、2回の接種で済みます」(坂田院長=以下同)

■接種を機会に婦人科のかかりつけ医を持つ

 HPVワクチンゆえの難しさは、まず筋肉注射である点。その年代まで打ってきた注射(皮下注射)と違うので、痛み、恐怖心、不安感で気分が悪くなったり気を失ったりする迷走神経反射を起こす可能性がある。

 次に、対象が思春期世代である点。ワクチンへの恐怖・不安に加え、慣れない婦人科など大人の診療科での接種ということもあり不定愁訴を起こしやすい。

 さらに、十分な性教育を受けていない点。

「学校でも家庭でも性に向き合うことなく来たのに、『性交渉で感染するHPVのワクチン』と言われても受け入れ難い。抵抗感を覚え、不定愁訴につながることもある」

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