大谷は来季投手に軸足、目指すはサイ・ヤング賞 投打フル出場は《負担が大きく論外》と識者
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月3日 9時26分
大谷翔平(C)共同通信社
2020年以来、4年ぶりの世界一を目指すドジャース。
選手がプレーオフに向けて調整する一方で、フロントを含めた首脳陣はすでに来季に向けた青写真を描いているという。
来季、二刀流が復活する大谷翔平(30)の起用法もそのひとつ。投手として復活するだけに、どういった使い方がチームや本人にとってベストなのか議論を重ねているとか。その中で有力視されるのが、投手に軸足を置いたプランだそうだ。
大谷は今季、DHとして159試合に出場。たった3試合休んだだけで、本来、主力野手の休養の場でもあるDHを独占できたのはフロントと首脳陣の意向だった。
他の野手を交互に休ませる以上に、大谷を常時打席に立たせた方がメリットが大きいとソロバンをはじいたからだ。
結果は思惑通り。前代未聞の「54本塁打-59盗塁」をはじめ、3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」、リーグトップの130打点で地区優勝に大きく貢献。ケガ人続出で脆弱だった投手陣をカバーできたのは大谷のバットと足によるところが大きかった。
ただし、大谷がDHに専念するのは今シーズンが最初で最後だ。来季からは二刀流が復活するだけに、今季のように走りたい放題は無理だし、シーズン中に体が悲鳴を上げた昨年のエンゼルス時代のように投手をやりながら野手としてもフル出場というのも現実的ではない。今後、投手を断念せざるを得なくなったときは、本人も言うように野手転向。守備の負担を考慮すれば、今季のように走り回れるとは思えない。つまり打者として今季のような圧倒的な成績を残すのは、大谷が二刀流を優先する限り不可能なのだ。
「そこで浮上したのが来季は投手に軸足を置くプランだといいます」と特派員のひとりがこう続ける。
「大谷は160キロ超の剛速球にこだわるがゆえに、2度の右肘靱帯修復手術を受けた。右肘にかかる負担はハンパじゃないだけに、来季以降、ずっと投手を続けられるとは限らない。いずれは野手に専念せざるを得ない。その場合に大きな戦力になることは証明されたのだから、投手をできる間は投手に軸足を置くのが、チームにとっても本人にとってもベストではないかと首脳陣は考えているのです。これまで大谷が投手として最も活躍したのは一昨年の22年で、28試合に先発して15勝9敗、防御率2.33、メジャー2位の奪三振率11.9をマークした。
この年はメジャー史上初めて投打とも規定に達し、野手としても157試合に出場しながらも投手として上位の成績を残した。ただ、それもこれも戦力がないエンゼルスだったから実現したこと。選手層が厚く、選手の体調を重視するドジャースで、登板日に打席にも立つリアル二刀流は負担が大きいし論外。投手に専念とまではいかなくても、例えば登板日の前後は完全休養とか、打者としては投手の負担にならない範囲の出場にとどめれば、投手としてサイ・ヤング賞を狙えるポテンシャルが大谷にはあると首脳陣はみています」
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