阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月4日 11時37分
岡田彰布監督(C)共同通信社
「ホントに辞めるの!? 次は藤川監督!?」
選手、コーチ、スタッフは一様に、ビックリ仰天したという。
昨季、18年ぶりリーグ優勝&38年ぶり日本一に導き、今季は2位でCS進出を確定させた阪神の岡田彰布監督(66)が2年契約の満了に伴い、今季限りで退任。後任は、球団OBで「火の玉ストッパー」として日米通算245セーブをマークした藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント(SA=44)が最有力候補に挙がっている。
この仰天人事は3日付のスポーツ報知がスッパ抜き、スポーツ紙、一般紙が後追いで報じた。粟井球団社長はこの日、岡田監督の退任、藤川SAへの就任要請などについて明言を避けたが、岡田政権2年間の成績を見れば、続投してしかるべきとの声があったのも確かだ。
まして、チームはこの日、横浜スタジアムで3位のDeNAを相手に、シーズン最終戦が控えていた。12日からはCSファーストステージで、そのDeNAを甲子園で迎え撃つ。シーズン終了を待たずしての一報は、阪神らしいっちゃ阪神らしいが、球団内外で大きな波紋を呼んでいる。
球団の内部事情に詳しい在阪の野球評論家は、岡田退任について、「監督の人事権が親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)から、阪神電鉄へ<大政奉還>されたことが大きい」と、こう続ける。
「阪急阪神HDのトップである阪急出身の角和夫会長兼グループCEOは2022年オフ、05年を最後に17年間も優勝から遠ざかるチームを立て直すべく、自身の右腕である杉山健博オーナーを球団に送り込んだ。阪神電鉄、球団による監督案を一蹴し、05年優勝監督である岡田再登板を主導した。その角会長は複数のメディアで発言しているように、監督人事のイニシアチブを握るのは今年までの2年間に限定。杉山オーナーの後任は、阪神電鉄の秦雅夫会長が就任すると聞いています。当初の約束通り、監督人事権は阪神側の手に戻った。角会長は『岡田続投』を望んでいたともっぱらですが、阪神側はかねて『藤川監督』案を温めていた。今回はその意向を尊重せざるを得ないというわけです」
続投要請があれば受諾も…
それにしても、阪神側に「岡田続投」の選択肢はなかったのか。
「仮に今季、球団史上初の連覇を達成していたとしても、退任は既定路線だったと聞いています」とは、前出の評論家。
「岡田監督は続投要請されていたら、受諾したと思う。チームは連覇を逃し、目標に掲げていた生え抜き中心の常勝チームづくりも道半ばです。今秋のドラフトの人選など来季の編成にもタッチしていましたからね。しかし、球団は2年前に矢野前監督の後任に、当時二軍監督だった平田ヘッドを推したものの、阪急側に一蹴されている。忸怩たる思いがあったのは間違いありません。だからこそ、藤川をSAとしてフロントに招き、岡田監督の任期満了と同時にバトンを託す構想を描いた。球団はシーズン2位が確定した直後、岡田監督に契約更新を打診しない旨を伝えたともいわれている。むしろ、解任に近いといっていい」
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