1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

小林聡美さんが表現者として「年を重ねる」とは… 《等身大》と呼ばれることへのちょっとした反発も

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月6日 14時3分

 ──そのエネルギーの源は?

 食事ですね。以前、悩みを抱え、生きる目標を失った人たちを迎え入れる「森のイスキア」という青森の施設に取材に行ったことがあります。主宰者の佐藤初女さんが握ったおにぎりなどの手作り料理を食べることで、自殺まで考えた人が考えを思いとどまり、立ち直ることができたそうなんです。私もおにぎりを食べさせてもらいました。大袈裟でなくとも心のこもったものをお腹いっぱい食べることで、満たされる。ただそれだけなんです。弱っている時って、どこか栄養が足りていないんですよね。あと何か悩みがあるのなら、すでに起こったこと、過ぎたことを気にしない、考えすぎないことです。私の場合、その時は「うわっ」とは思いますが、あとはもう考えないことにしています。

 ──食事の描写も多い「団地のふたり」では、ノスタルジックな空間でアプリを駆使するなど、現代的な暮らしぶりが印象的です。

 今はテクノロジーの発達で便利な世の中ですが、やっぱり人との触れ合いや人力というものは心強いです。目に見えて肌で感じられるのは何より安心感があります。ドラマでは人力と利便性のハイブリッドのような世界を実現できているようにも思います。高齢化社会や認知症、ジェンダーの問題などにもさりげなく触れていますが、ハートウオーミングな形で届けられているのかなと。私個人が考える理想的な暮らしは、当たり前ですが、好きなことだけして暮らすこと。とはいえ、やりたくないことも、時にはやらなきゃいけないんですけどね。

(聞き手=勝俣翔多/日刊ゲンダイ)

▽小林聡美(こばやし・さとみ) 1965年、東京都生まれ。82年、映画「転校生」でスクリーンデビュー。主な出演作品に、ドラマ「やっぱり猫が好き」「すいか」、映画「かもめ食堂」「紙の月」「ツユクサ」など。今年3月、3年ぶりのエッセー集「茶柱の立つところ」を上梓するなど著書多数。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください