老化の危険因子は「糖化」「酸化」「炎症」…見た目が若々しい人は均質に老化する
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月10日 9時26分
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
【長寿研究のいまを知る】
多くの人は見た目が実年齢よりも若々しくて元気な老人に憧れる。かれらには老化に関していくつかの特徴がある。そのひとつが全身が均質に老化していることだ。
老化には加齢とともに必然的に進行する身体機能の低下を意味する「生理的老化」と、病的因子によって老化が加速される「病的老化」がある。
前者はしわやしみ、たるみ、白髪などであり、物忘れをしたり、就寝時のトイレ回数が増えることなど。後者は骨粗しょう症や認知症、糖尿病の合併症などに伴うものである。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。
「本来、機能が低下した細胞は新しい細胞と入れ替わります。しかし、加齢とともに細胞の機能も衰え、入れ替わりしにくい状態になり、細胞数が減るなどして生理的老化が進んでいきます。ただし、その速度は誰でも同じではありません。臓器や組織の老化の進行速度は遺伝的要因や生活習慣により異なるため、老化の速度は人によって少なからず異なってきます」
普通の人々は、この2つの老化が混在し、進行している。ただし、長寿研究の対象となるような百寿者は病的老化が少ないうえ、生理的老化も均質に進行しているという。
さらに、百寿者には老化の危険因子が少ないこともわかっている。老化の危険因子の代表が「糖化」「酸化」「炎症」だ。
「『糖化』とは、食事などからとった余分な糖質が体内のタンパク質などと結びつき、タンパク質が変性・劣化してAGEs(最終糖化産物)がつくられる現象を言います。肉や魚を焼いたときにできる焦げ目も糖化によるもので、糖化を『からだが焦げる』と表現されるのはこのためです」
血管、骨、内臓、筋肉、皮膚、髪の毛など多くの組織や臓器はタンパク質でできている。そのため、タンパク質の機能を低下させるAGEsの蓄積は体内にさまざまなトラブルを起こす。例えば、皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からできているが、真皮にAGEsが蓄積すると真皮幹細胞の働きが抑制され、新しい線維芽細胞の供給が滞る。その結果、コラーゲンなどが減少して、皮膚の弾力が失われ、しわやたるみ、くすみに発展する。
骨の体積の半分はコラーゲンでできており、糖化が起きると骨がキャラメル色になり、もろくなる。目に蓄積すると白内障の一因となり、血管に蓄積すると動脈硬化が進み心筋梗塞や脳梗塞の一因となる。
■加齢により抗酸化作用が低下
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