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老化の危険因子は「糖化」「酸化」「炎症」…見た目が若々しい人は均質に老化する

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月10日 9時26分

 1つの細胞にはミトコンドリアと呼ばれるエネルギー産生工場が数百から1000個以上あり、酸素と栄養素を使ってATPと呼ばれるエネルギー通貨を合成している。この工場からATP以外に出ているのがフリーラジカルや活性酸素だ。

「これらは工場から放出される排ガスのようなもので、必要以上の量になると非常に有害です」

 すべての物質は原子からできている。原子は原子核と電子からできていて、原子核の周りを電子が回っている。原子が結合して安定した形が分子で、分子の中の電子は2個でひと組になっているが、なかに電子が1個だけの分子がある。こうした不安定な電子を持つ分子をフリーラジカルという。

「フリーラジカルは、安定するために他の分子から電子を奪おうとします。奪われた分子は不安定になり、さらに別の分子から電子を奪おうとします。一方、活性酸素は酸素が変化したもので、フリーラジカルと同じように他の分子から電子を奪おうとする性質をもっています。このように電子を奪う反応を『酸化』と呼ぶのです」

 むろん、からだにはこれらを退治するためのしくみ(抗酸化作用)があり、抗酸化物が自らの電子を提供することで酸化を防ぐ。しかし、不摂生な生活や加齢により、その作用が低下して、酸化が優勢になってしまう。結果、からだがさびついた状態になり、老化していくのだ。

 「炎症」とは、からだに負荷がかかったときに生じる反応のことで、「熱くなる」「赤くなる」「腫れる」「痛みを伴う」「組織の機能不全」を炎症の5兆候と呼ぶ。

「炎症には急性と慢性の2つあり、一定期間が過ぎれば治まるはずの炎症が低レベルで長期間持続して慢性化した状態が慢性炎症です。自覚しにくいため病態が進みやすく老化との関わりが深いことがわかっています」

 限界を超えて分裂しなくなった老化細胞は加齢とともに体内に蓄積されるが、そこからは炎症作用や発がん促進作用のあるさまざまな物質が分泌されていることがわかっている。このため老化細胞が増えると慢性炎症になりやすく、さらに細胞の老化が進んで細胞が構成する組織や器官も衰えていくことになる。

「慢性炎症は肥満、喫煙、歯周病などでも生じます。だからこそ老化予防には、ダイエットや禁煙、口腔内ケアが重要になるのです」

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