株式市場にとっては「ハリス大統領」と「上下院ねじれ」がベストな理由【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月15日 9時26分
米大統領選の選挙結果が市場に影響を与える(トランプ前大統領とハリス副大統領)/(C)ロイター
【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#135
世界が注視する選挙まで、残り1カ月を切った。日本の総選挙のことではない。果たして11月5日の米大統領選と上下両院選挙はどんな結果になれば株式市場にプラスなのだろうか。
過去の選挙結果が、米国市場にどんな影響を与えたかを振り返ってみたい。もちろん今後の日本の株式市場を占ううえでも大いに参考になろう。
まず、1933~2023年の90年間の大統領の党派別株式リターンを見てみる。民主党政権は8回、51年間で、政権時のS&P500の年平均リターンは10.5%。一方、共和党政権は7回、39年間で同リターンは7.6%。意外なことに、民主党の方が好成績だった。
もっとも、大統領の意向だけでは政策を実行できない。市場への影響は、議会選挙とセットで判断することが必要だ。
大手投信会社の調査によれば、過去90年間の大統領と上下両院の構成別の6通りの米株式市場を分析すると、S&P500の年平均リターンが最大(15.7%)だったのは、大統領が民主党で、上院・下院の多数派が民主党と共和党に割れた「ねじれ」の時だった。ちなみに、すべて民主党の時は9.0%、すべて共和党の時は12.9である。
なぜ民主党の大統領と「ねじれ」議会が株価にプラスなのか。それは「政策のバランス」ということに尽きる。
①議会のねじれが過度な政策変更を抑制し、市場に安定感を与える。政策が極端に偏らないことにより企業環境が安定し、企業は長期戦略を立案しやすい。投資家も市場の変動予測がしやすいことで、リスクを取れるので株価は上昇しやすい。
②民主党政権では社会保障やインフラ投資に重点を置く政策が採用される傾向があるが、ねじれにより、これらの政策が極端に進むことが抑制され財政規律が保たれる。これも市場にとって好材料なのである。
米国の現状は大統領も議会も民主党がほぼ独占している。1カ月後、ハリス勝利、上院は共和党、下院は民主党のねじれとなり、市場が安堵して沸くかどうか、そこに注目したい。 (丸)
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