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女子レスリング金 元木咲良 大会前は重圧でメンタル崩壊、ついこぼした「絶対に言ってはいけないこと」【日本代表選手が明かす!パリ五輪㊙ウラ話 】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月20日 9時26分

 ──決勝戦は平常心で臨めましたか?

「決勝は前日の準決勝の試合内容から弱気になってしまいました。弱気になると腰が引けたり、前に出られなくなるので、(育英大監督の)柳川(美麿)先生から試合前に『ケンカだと思ってやれ』とアドバイスされました。強気な姿勢で絶対に勝つという気持ちで臨んだ結果、テクニカルスペリオリティー(10点差)で勝てました」

──日本のお家芸だけに、メダル取りのプレッシャーはありましたか?

「1年間、国際大会で一度も頂点に立っていなかったし、日本の女子は優勝して当たり前という状況の中で、自分は勝てないんじゃないかと。プレッシャーよりも不安でいっぱいでした。精神的に苦しかったです。(23年世界選手権準優勝で)五輪出場が決まってからの約1年間は、マイナスなことばかり考えて気分がめいって話さなくなることもありました」

妹には「出たくない」と吐露していました

 ──重圧に押し潰されかけた。

「妹(日陽里=育英大レスリング部)と一緒に住んで、話を聞いてもらってから楽になりました。妹に苦しい胸の内を話しても、肯定も否定もせずに『ああ、そうなんだ。じゃあ、私が代わりに出ていい?』とか。絶対に言ってはいけないことですが『出たくない』とこぼしていました。負けて情けない姿をさらすぐらいなら、出たくないなと。特に(今年4月の)アジア選手権はアイスルー選手に負けてしまったので、落ち込みましたね。パリ五輪まで3カ月しかなくて、アジア選手権は本気で勝とうと思い、対策もしていたし、練習したつもりでしたけど、やられてしまって。絶対に勝てないのか、どうしようと。練習する気が起きないこともありました」

 ──連覇を確実視された50キロ級の須崎優衣が初戦で敗れたことは影響しませんでしたか?

「優衣さんには日頃からよくしていただいて、選手村でも同部屋でした。優衣さんが朝、試合会場に向かう時に『いい流れになるように頑張ってくるね』と言っていたので、負けたと知った時はショックでした」

 ──本人も相当、落胆していたのではないですか?

「日本の練習場で昼間に会った時は落ち込んでいる様子でした。体重を落とし終えてから、夜に部屋に戻ってからは明るく接して下さったので、本当にすごい方だなと思いました。恐らく、私の試合があるので、優衣さんは気を使って明るく振る舞ってくれたのだと思います。私の試合の日は『自分の力を出し切れないというのが一番、後悔するから、しっかりと自分の力を出し切れるように頑張ってきてね』と送り出してくれました」

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