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イルカさん「松尾芭蕉のように1カ月くらいあっちに行ったりこっちに行ったりしたい」【死ぬまでにやりたいこれだけのこと】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月21日 9時26分

 私自身は、作るのは難しいけど、人と人をつなげるのはこれからでもできる気がする。以前からそういうものを作りたかったし、どんなに小さくてもいいんです。「イルカ伝承館」みたいなものをつくって、儲からなくてもいいから、みんながそこに集まって展示会を開いたりすれば、伝統的な素晴らしいものを次の世代につないでいくことができます。

 場所は息子が山梨で仕事をしているし、私のアトリエが富士山にあります。大好きなおじいちゃんの故郷は山梨、おばあちゃんの故郷は栃木。どこにも友だちがたくさんいるから、探そうと思えば見つかると思う。

手描きの着物を着て国際会議に出て行く

 着物のことももう少しやりたいですね。

 京都にはこれまで約10年間、手描きの着物を作るためにウイークリーマンションを借りて通っています。夫の親戚には呉服屋さんをやってる人が多いんです。着物を着る人が少なくなっているから、呉服の世界を盛り上げるのに力を貸してくれないか、絵本を描いているから着物も描かないかと言われて。

 最初はそんなことできないと断ったけど、帯ならできるかなと思って引き受けて、「まあるいいのち」という絵本の表紙の絵を帯に描いてみました。そしたら面白くなって、次に着物もやってみようかなとなって。それからやめられなくなっちゃった。

 花粉症なので、毎年春先はコンサートを休みます。そのうちの1、2週間は着物を全部手染め・手描きでやっている工房のご夫婦のところに通い、無理くり教えていただいて。着物は設計図が本当に大変です。まず設計図を作って柄合わせをして地染めして、そこから手で描いていく。私の場合、一つ作るのに2カ月くらいかかる。それを着ることができるのが楽しいですね。

 なぜ、続けたいかというと、国際自然保護連合(IUCN)の親善大使を20年続けていることがあります。4年に一度1万人くらい集まる世界自然保護会議が各国持ち回りで行われる。その時に親善大使として着物を着て出て行くとみなさんがものすごく関心を持ってくれるんです。

 私が描く着物のテーマは「生物多様性」と「レッドリスト」の生き物。一番最初に描いたのが、絶滅危惧種のトキとジュゴンです。着物を着ていると人が寄ってきて「これは何ですか」と話題になります。「トキです。トキって少なくなっているんですよ」なんて会話をしていると話がはずむ。

 そして、「私はイルカという名前です」というと、会議でいがみ合っていた人の顔がパッと明るくなる。「オー、ドルフィン!」と心を開いてくれる。会議がなごやかに進んだって言ってもらえた時はよかったと思いました。IUCNの会議には「レッドリスト」の生き物、「生物多様性」を表した看板として、いつも着ていくようにしています。

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