大谷ドジャースにあってヤンキースにないもの…金満で大人気の両球団“似て非なる”チーム作り
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月24日 9時26分
大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports
今回のワールドシリーズは、東西を代表する老舗名門球団同士の頂上決戦になった。
米紙「USA TODAY」(電子版)によれば、今季開幕時の年俸総額はヤンキースが約455億円で30球団中2位。ドジャースは約375億円で同3位(同1位はメッツの約458億円)。レギュラーシーズンの観客動員数はドジャースが約394万人で同1位。ヤンキースは約331万人で同4位。ともにメジャーで一、二を争う資金力と人気を背景に、ドジャースは大谷翔平(30)、ヤンキースはジャッジ(32)という両リーグの本塁打王を擁して打線の破壊力がバツグンのチームを築き上げた。
■ヤンキースはマイナーの人材が枯渇
異なるのはフロントのチームづくりだ。
ドジャースが今季まで12年連続でプレーオフに駒を進めているのに対して、ヤンキースはここ12年中4回、ポストシーズン進出を逃している。2013年は地区3位、14年は同2位、16年と昨年は同4位に沈んだ。
「ヤンキースのキャッシュマンGMは、毎年のようにカネを湯水のごとく使いながら昨年のような取りこぼしが目立つ。有力選手をトレードで獲得するために若手有望株を放出、マイナーの人材が枯渇するためチームの新陳代謝がスムーズにいかない。戦力を長期的に維持できないのです。その手法は度々、NYメディアにバッシングされています」(現地特派員)
典型が昨年12月のトレードだ。キャッシュマンGMはソト(25)を獲得する見返りに、計5選手をパドレスへ放出。5人の中には今季13勝のキング(29)や正捕手になったヒガシオカ(34)、さらに若手有望株も含まれていた。ソトは地区優勝と今回のリーグ優勝に大きく貢献したが、「将来のエース候補や若手有望株を手放したツケは来年以降に来る」と先の特派員はみている。
■ドジャースには先発の核になる生え抜きが上がってくる
そこへいくとドジャースのフリードマン編成本部長は「勝利と育成」を両立させた。同編成本部長はウォール街出身。レイズのGMとして極貧球団を常勝球団に。14年オフ、ドジャースの編成責任者に就任すると、真っ先に取り組んだのはマイナーなど下部組織の充実、編成に携わるスタッフの刷新、スカウトの育成だった。
オフに大谷をはじめ山本由伸(26)やグラスノー(31)などの大物を買い漁る一方で、毎年のように先発の核になるような生え抜きがマイナーから上がってくる。昨季はルーキーのミラー(25)が11勝(4敗)、今季は実質メジャー1年目のストーン(26)が11勝(5敗)した。
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