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「嘘解きレトリック」は今や《時代劇》 脚本家には書きやすい「昭和初期ドラマ」ブーム到来の可能性

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月26日 9時26分

「嘘解きレトリック」は今や《時代劇》 脚本家には書きやすい「昭和初期ドラマ」ブーム到来の可能性

何となく癒やされる(C)日刊ゲンダイ

 鈴鹿央士(24=写真)&松本穂香(27)がダブル主演のフジテレビ月9「嘘解きレトリック」。原作は都戸利津氏による同名コミックで、昭和初期の日本を舞台に、貧乏な探偵・祝左右馬(鈴鹿)と、「ウソが聞き分けられる」能力を持った探偵助手・浦部鹿乃子(松本)が活躍する1話完結型のミステリードラマだ。

「放送が始まる前は、原作ファンから《主演ふたりが原作のイメージとは違う》なんてブーイングも。特に松本さん演じる鹿乃子は、原作では16歳の少女なので……《松本さんでは年齢が》という意見もありました。が、ふたを開けてみれば何ら違和感がなかったのは、さすが実力派のなせる技。透明感とはかなさがいいですよね」(エンタメサイト編集者)

 21日放送の第3話の平均世帯視聴率は6.0%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)とあまり目立たないが、ここ数年の他の月9と比べたら突出して低い数字でもない。一方、人気の目安となるTVerのお気に入り登録数は60万超え(24日現在)。秋ドラマの中ではトップ10にランクインしている。

 ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏は「今のところ、前の月9『海のはじまり』の方が視聴率は高めの傾向ではありますが、『嘘解き』はアンチが少ないようなので、まだまだ人気が上がっていく可能性も。実年齢は鈴鹿さんより松本さんの方が年上。にもかかわらず、松本さんが演じる鹿乃子を優しく包み込むような大人っぽい表情を鈴鹿さんが見せていて、これは新たなファンが増えそうですよね」と話す。

 実際、視聴者からは《何となく癒やされる》《ほのぼのした気持ちになる》などなど、好意的な声が多い。中には《月9で時代劇って新鮮》なんて声も。ある脚本家は「私も同じようなコメントを目にして、昭和初期はもう時代劇なのか! と軽くショックを受けました」と苦笑しながら、こう続ける。

「15年ぐらい前に同業者と《大正時代はそろそろ時代劇の範疇に入れていいのでは》という話をした記憶があるのですが……もはや若い世代にとっては昭和初期もなのか、と。時代劇は、苦手意識があってハナから見ない人も多い。けれども、昭和初期なら《ちょっと懐かしい感じ》ぐらいで、新鮮に受け止められるんだと今回改めて分かりました。実は昭和初期は脚本を書くほうにとってはやりやすい点が多い。携帯電話はおろか、電話も一般家庭に普及していませんから、すれ違いが書きやすいんです。ハラスメントも現代劇ほど気にしなくていいですし」

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