トヨタやユニクロですら「誰も注目しない時期があった」事実が映す株式投資の本質
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月2日 9時26分
トヨタ自動車(C)日刊ゲンダイ
新NISAがスタートし、株価も高水準で推移する中、株式投資を始めた、あるいはこれから始めようと検討している人もいるだろう。お宝銘柄に投資することは可能なのだろうか。1冊で2000ページにも及ぶ『会社四季報』を27年間で108冊全ページ読破する渡部清二さんは、「個別株には圧倒的な爆発力がある」と言う。新著『そろそろ投資をはじめたい。』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
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書店の「投資コーナー」を見たことはありますか? 株式投資やFX、仮想通貨、不動産投資など、そこにはさまざまな種類の「投資本」が並んでいます。
個別株投資には、圧倒的な魅力があります。それは「爆発力」です。
みなさんもニュースなどで一度は聞いたことがあるであろう日経平均株価。第二次世界大戦後に東京証券取引所が再開された翌年、1950年6月に月足終値で最安値をつけますが、そこから2024年7月高値までで500倍弱も上昇しました。
ところが、同じ期間でもこの数字を大きく上回り、「28万倍」にまで成長した企業があります。それは、トヨタです。
1950年6月のトヨタの最安値は、23円50銭でした。1000株買うと、2万3500円。物価を四季報の販売価格で考えると、当時の価格は150円で現在は2600円(税込み)と約17倍になっていますので、当時の2万3500円は、今の価値で40万円くらいでしょうか。
28万倍になったトヨタ
仮に、1950年に買った1000株を2024年まで持ち続けていたとすると、株式分割(1株をいくつかに分割し、発行済みの株式数を増やすこと)による株式数の増加も含めて、その価値は約「28万倍」に増加して、当時の2万3500円は実に60億円以上になっているのです。
株式分割を考慮して株価を修正したものを「修正株価」といいますが、トヨタの修正株価は1950~1960年の10年間で1000倍になりました。その後、1000倍から1万倍と10倍になるのに約20年、1万倍から10万倍と10倍になるのに約25年を要しました。
今でこそ、世界にその名を知られているトヨタですが、株価の変遷を見ると最初の10年間で爆発的に伸びていたことが読み取れます。
この事実からわかること。それは、トヨタもかつては「誰も注目しない中小型株」だったということです。ソニーや本田技研工業(ホンダ)、松下電器産業(現パナソニックホールディングス)の株価も安値から高値まで普通に2万~3万倍になっていますが、トヨタ同様にかつては中小型株であったのです。
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