ひょっとしたら死ぬかも…元テレ朝アナの佐々木正洋さん髄膜炎を振り返る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月18日 9時26分
佐々木正洋さん(C)日刊ゲンダイ
【独白 愉快な“病人”たち】
佐々木正洋さん(70歳/元テレビ朝日アナウンサー)
=髄膜炎など
◇ ◇ ◇
2012年にフリーになってからというもの、次から次に病気をしました。特に印象深いのは、13年の「髄膜炎」です。「このまま死ぬんじゃないか」と思いました。
当時、サラリーマンからフリーになって収入が半減し、世の中の厳しさとがむしゃらに戦っていました。できるだけ人に会い、1カ月に名刺を800枚も配っていた頃です。精神的にクタクタになっていたんでしょうね。
ある日、朝から体がだるいときがありました。ちょうど、かみさんが女友達と2人でヨーロッパ旅行に行って、家に僕と愛犬だけだった間の出来事です。だんだん熱が高くなって、愛犬を抱っこしながら「つらいね~」なんて話しかけていたんです。すると、急に力が抜けてソファからズルズル滑り落ちてしまいました。
その日は運悪く日曜日でかかりつけ医は休み。仕方なく救急病院にかかると、「きっと風邪でしょう」という頼りない診断をされ、薬をもらって帰ってきました。でも翌日になっても熱が下がらないので、かかりつけ医を受診すると、即座に「髄膜炎かもしれない」と判断し、「もし髄膜炎だと大変なので」と午前中の診察時間のあと、先生自らタクシーで大きな病院まで連れて行ってくれました。
案の定、「ウイルス性髄膜炎」と診断され、10日間の入院を余儀なくされました。点滴治療が行われましたが、40度以上の高熱と頭痛に1週間苦しみました。それはそれは苦痛で、頭を1センチでも動かそうものならズキーン(!)とするんです。もうね、頭の芯まで痛いんです。だから頭は動かせない。寝返りを打つと痛みで目が覚めてしまって全然眠れない。朝になると、隣のベッドの人に「一晩中うなっていましたね」と言われるくらいで、つらくてつらくて本当にしんどかった。
息子と久しぶりに親子らしい会話ができた
その頃、かみさんはヨーロッパ。後から聞いた話では、一緒に行った友人(女医)と「今から帰っても仕方ないわよ。ウイルス性の髄膜炎だったら、おとなしくしていれば治るから」なんて会話をしていたそうです。
髄膜炎は、頭蓋骨と脳の間にある髄膜がウイルスや細菌に感染して起こる病気で、ウイルス性の髄膜炎は1週間程度で症状が治まり、後遺症もなく治るそう。これが細菌性髄膜炎だったら重体になる可能性があったようです。
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