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【ドラフト選手の“家庭の事情”】巨人1位・石塚裕惺 野球好きの両親が施した多種多様な「英才教育」…体操、水泳、英語、トロンボーンにソロバン

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月25日 9時26分

 物心がついたころから野球一色のように思われるが、思春期までに経験した習い事は数知れず。幼稚園から体操を2年、小学校に上がると水泳を2年。幼稚園から小学6年まで習ったソロバンは2級の腕前だ。小学1年から4年までは英会話スクールにも通い、高学年から英語塾に切り替えると、中学卒業まで続けた。かつてはトロンボーンも演奏できたそうだ。

「いろんなことを経験させたかったんです。ソロバンはたくさん指を使うから脳の発達にもいいだろうと。英語はペラペラ? いや、高校で苦手な教科が実は……。楽器は小学校の吹奏楽部で始めました。もともと小学4、5年ごろまでは公立中学の野球部に入るものだと思っていた。そうなると朝練がつきものだから、早起きに慣れておくに越したことはありません。朝練がある小学校の吹奏楽部を勧めてみたら、『やる』と。トロンボーンを担当していました」(明世さん)

 中学時代は県内の強豪・佐倉シニアに所属。そのころから康直さんが指導することはほとんどなくなり、時折アドバイスするにとどめるようになっていた。

 当時の主なサポートは佐倉シニアへの送迎と食育だ。

「たくさん食べるように、気付かないようにシレッと少しずつ茶碗を大きくしていきました。最後の方はどんぶりサイズを食べられるようになっていましたよ。不満はこぼさずキチンと平らげていました」(明世さん)

 花咲徳栄(埼玉)へ進学し、レギュラーに選ばれたのは1年秋。入学当初は慣れない寮生活に戸惑いもあったという。

「選手が実家に帰れるのは5月5日のこどもの日と、年末年始くらい。初めて帰ってきた時は、『入寮した直後はお腹の調子が良くなかった』と漏らしていました」(明世さん)

 康直さんも言う。

「入学当初はバッティングで悩んだ時期があったのか、スイングの動画を送ってきて『どうなってる?』と尋ねられたこともありました。それでもグチや弱音を私は聞いたことがありません」

 チーム内の激しい競争を勝ち抜き、3年夏は「4番・遊撃」として県大会で打率.426、1本塁打をマークし、甲子園に出場。初戦の新潟産大付戦で惜敗したものの、先制点の足掛かりとなるチーム初安打を放つと、そのまま盗塁を成功。聖地で爪痕を残し、巨人から1位指名を受けた。

 幼いころから積み重ねてきた多彩な経験が、大観衆が見守る中で発揮される日が待ち遠しい。

▽石塚裕惺(いしづか・ゆうせい)2006年4月6日、千葉県八千代市生まれ。幼稚園から野球を始め、体操も習ってはいたが意外にも逆上がりが苦手だった。勝田ハニーズでは千葉ロッテジュニアに選抜。佐倉シニアで全国デビュー。花咲徳栄(埼玉)の3年夏に甲子園を経験した。石塚家の正月の恒例行事は親戚との野球練習。好きな食べ物は焼き鳥。右投げ右打ち。身長181センチ、体重82キロ。

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