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風邪の初期症状の正しい理解と市販薬の使い方を知る…「ひき始めに服用する」わずか4%

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分

 風邪の原因は、ウイルスが8~9割で、細菌は1~2割といわれる。病院で処方される抗生物質は細菌をやっつける薬で、ウイルスにはまったく効かない。風邪で病院を受診する人は「とりあえず抗生物質(抗菌薬)を」と医者にお願いするが、それが効くのはせいぜい1~2割でしかない。ほとんど効かないから、処方してもらってもほぼムダだ。

「本当に抗菌薬が必要なのは二次的に肺炎を起こしたり、へんとうに炎症が及んでいるケースなど限られますから、風邪は市販薬の対症療法で十分よくなります」(富家氏)

 ところが、前述の調査結果は、市販薬の使い方が誤っていることを示している。正しい使い方を頭に入れておこう。富家氏に聞いた。

 まず、風邪のひき始めはどういうときか。この基本から押さえておこう。

「体がぶるっとして『あれ、寒けがするな』と思ったら、それが風邪のひき始めです。あるいは、のどがイガイガするほどではないものの、何となく違和感があったりするとき。医学的にウイルスなどが侵入して感染が成立した直後です。のどに炎症ができてしまうと、のどの痛みや鼻の症状が出てきますから」

 前述の調査で「悪寒」を挙げた人はわずか4%だった。圧倒的多数は、風邪がもっと進んでから薬に頼っているから、この考え方をしっかりと改めることが肝心だ。

■ぶるっと悪寒がしたら葛根湯か麻黄湯

 そんな風邪のひき始めは、漢方薬がお勧めだという。どの漢方薬をチョイスすればいいか。

「3大漢方薬である葛根湯、麻黄湯、小青竜湯です。いずれも体を温めて免疫力を高め、改善をうながします。熱があっても悪寒がするような風邪には特に効果的です。使い分けとしては、軽い悪寒がしたら、すぐに葛根湯を飲みます。寒けと同時に節々が痛むときは麻黄湯です。麻黄湯は高熱と悪寒や節々の痛みといったインフルエンザにも有効ですから、葛根湯と麻黄湯は自宅に用意しておくとよいでしょう」

 いずれにしても、悪寒がしたらすぐに飲むことが大事だ。これを忘れずに守ろう。漢方薬については、服用後に慌てないことも覚えておきたい。どういうことか。

「葛根湯や麻黄湯が効いてくると、体がぽかぽかと温まって汗をかいてきます。この体温上昇は漢方薬が効いてきたサインで、『熱が出た』わけではないので、くれぐれも解熱剤を服用しないことです」

 麻黄湯については、抗インフル薬タミフルと比較した研究がある。解熱効果に差はなかったものの、節々の痛みなど熱以外の症状の改善は麻黄湯がより早かった。タミフルに上乗せして使うこともできるから、インフルも拡大している今、麻黄湯も自宅にあると便利だろう。

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