糖尿病患者は「骨折」に注意する…命に関わる合併症のひとつ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月29日 9時26分
糖尿病の人に骨折が多い、もうひとつの理由は糖尿病の人は転倒が多くなることだ。
「糖尿病の人の多くは神経障害で体のバランスが悪いうえ、とっさの受け身をとりづらく、視力障害で足元が見えづらい。しかも栄養バランスを無視したダイエットにより、サルコぺニア(筋肉量の減少に伴って筋力や身体機能が低下した状態)になりやすい。結果、転倒リスクが高くなるのです」
実際、高齢の糖尿病患者は1年間で18%が転倒し、インスリン療法中の糖尿病患者は健常者の2.78倍転倒リスクが高いとの報告もある。
では、糖尿病の人は骨折リスクを抑えるために何をしたらいいのか?
「骨密度は50歳を過ぎると急激に低下していきます。50歳を越えたら自分の骨の状態をチェックすることが大切です」
検査は整形外科で受けられるほか、女性は市区町村の骨粗しょう症検診を受ける手もある。なお、骨密度が標準の70%未満の人や、背骨や足の付け根の骨折歴がある人など骨折リスクの高い人は骨粗しょう症と診断され投薬治療の対象となる。
「予防はカルシウム、ビタミンD、ビタミンKが豊富な食事と、運動習慣が基本です。カルシウムが豊富な食材は牛乳、チーズ、小魚、小松菜、アーモンドなど。ビタミンDはサンマやイワシ、サケなどの魚類や、シイタケなどのキノコ類、ビタミンKは納豆に多く含まれています」
転倒は筋力の低下が要因であることが多く、低栄養と運動不足が関係している。1日3食しっかり食べて、必要なエネルギーとタンパク質を取ることが大切だ。
「骨は負荷がかかるほど骨を作る細胞が活発になります。ウオーキングや階段の上り下りを日常生活に取り入れるといいでしょう。ウオーキングなどの運動を週3回以上、半年以上続けることで転倒リスクを2割減らしたとの報告もあります」
骨折はその部位によっては命にかかわる。大腿骨近位部骨折の30日死亡率は2.9~10.8%、1年死亡率は2.6~33%との報告もある。
糖尿病の人は、骨折は糖尿病の重大合併症であることを自覚し、早めにその対策に取り組むべきだ。
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