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子どものアトピー性皮膚炎を悪化させない、しっかり治す…「見た目が良くなった=完治」ではない

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月3日 9時26分

子どものアトピー性皮膚炎を悪化させない、しっかり治す…「見た目が良くなった=完治」ではない

乾燥する冬に悪化しやすい

 皮膚が乾燥する冬に悪化しやすいアトピー性皮膚炎。アトピー性皮膚炎は2018年に分子標的薬の新薬が登場して以降、効果の高い薬が次々に登場している。一方、小児に使える薬は限られていたが、昨年9月には、分子標的薬のひとつ、「デュピルマブ」が生後6カ月から使えるようになった。

  ◇  ◇  ◇

 アトピー性皮膚炎の分子標的薬とは、炎症の原因物質に働きかけ、皮疹やかゆみを抑える薬だ。従来薬では改善が見られなかったが、分子標的薬によってコントロールできるようになった患者は珍しくない。現在、小児に使える分子標的薬は〈囲み〉の通りで、今後も増える可能性がある。

 ただ、そういった薬の存在を知っている人は多くないとも考えられる。製薬会社「サノフィ」が行った調査では、中等症以上のアトピー性皮膚炎小児患者の保護者の約9割が、小児でも使える分子標的薬があることを知らないとの結果だった。

「アトピー性皮膚炎の治療について、正しく認識されていないことがまだまだ多い」

 こう指摘するのは、「ユアクリニック秋葉原」院長で、小児アレルギーの治療に詳しい杉原桂医師(小児科専門医)。アトピー性皮膚炎には冒頭の新薬が必要な患者もいるが、従来薬でも十分に治療が可能なのに、間違った認識によってこじらせている患者がかなりいるという。そもそも乳幼児では、受診段階ではアトピー性皮膚炎ではない場合もある。

「これからの季節では、アトピー性皮膚炎でなくても皮膚乾燥を放置したために、かゆみが生じて湿疹になっているケースもよく見られます」(杉原医師=以下同)

 アトピー性皮膚炎は、乳幼児では最初、頬、額、頭の露出部が乾燥し、赤くなる。肌が乾燥すると皮膚のバリアー機能が損なわれ、異物が入りやすくなる。すると、免疫反応が過剰になって、かゆみがひどくなり、かきむしり、やがて皮疹が顔面全体、そして体へと広がっていく。アトピー性皮膚炎から、喘息、鼻炎といったほかのアレルギー疾患へと連鎖していくこともわかっている。

 つまり、正しい知識を持って乳幼児の湿疹対策、アトピー性皮膚炎の初期治療をしっかりすることが肝心なのだ。

■改善しないケースの共通点

「乳幼児の湿疹やアトピー性皮膚炎で症状が良くならないという場合には共通点があります。多いのは、ステロイド軟膏の間違った使い方。使用量が少ない、使用期間が短い、少し良くなったら中止するということがよく見られます」

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