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プロは「ゴルフがうまい」だけではいけない。ファンは“人間性”にも厳しい目を向ける時代(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月18日 9時26分

プロは「ゴルフがうまい」だけではいけない。ファンは“人間性”にも厳しい目を向ける時代(羽川豊)

荒木優奈(C)日刊ゲンダイ

 女子プロ協会は毎年12月、入会1、2年目の会員を対象に3日間「新人セミナー」を行っています。名刺の渡し方や挨拶など、社会人としてのマナーだけでなく、アンチドーピングや税金の講義まである。

 男子(日本プロゴルフ協会)も新人プロに対し、5日間の入会セミナーで、接客マナーや身だしなみなどを指導しています。

 私が監督を務める専修大学ゴルフ部はこの時期に「幹部交代」があります。4年生が3月に卒業するため新役員が決まるわけですが、その際4年生から1年生まで1人ずつスピーチをしてもらいます。

「4年間はあっという間で短い。目標を設定し、そのための準備を怠らず、しっかり練習して欲しい」

 ある4年生の言葉です。1年生は入部してまだ半年ぐらいですから、うまく話せない者もいます。そんな部員にはこちらから質問して自分の考えを語らせます。毎年のことですが、女子部員は総じて声が小さいですね。

 私が学生の頃(1970年代)は上下関係が厳しく、トレーニングでも理不尽な“しごき”がありました。部員全員がスピーチする機会などもちろんありません。今は専大も「悪しき体育会系」の慣例は一掃されましたが、挨拶や目上の人に対する話し方、時間厳守など、社会人としての常識は身につけて欲しい。部活動の中で、そこは重視しています。

 現在の4年生は3人がプロを目指しています。今はゴルフがうまいというだけでは、プロとしてやっていけません。「稼ぎ場」である試合数も減っています。

 トーナメントの前後やオフシーズンのファンサービスは当たり前。大会の前夜祭ではスポンサー関連の方々に感謝の気持ちを持って接しなければなりません。

 酷暑の中、コースを最高の状態に仕上げてくれるグリーンキーパーの努力も理解すれば、自分のミスに腹を立ててクラブを芝に叩きつける行為もなくなるでしょう。

「その意識が低いプロが多いことが、国内男子の試合減につながっている」という声もあります。

 近年のアスリートは「発信力」も問われます。メジャーリーガー大谷翔平選手の人気は、ずぬけた技術だけでなく、彼の発する「言葉」も大きいのではないか。昨年のWBC決勝戦の前、ロッカールームで大谷選手がチームメートに語った「憧れるのはやめましょう」から始まる名言に多くのファンが感動したはずです。

 プロになる、ならないは関係ありません。大学を卒業し、社会に出れば人前で自分をアピールしたり、意見を述べる機会もあります。その「練習」として幹部交代や合宿など、全部員が集まる機会にスピーチさせているのです。

 プロゴルファーに話を戻せば、ファンは「人間性」にも厳しい目を向ける時代です。冒頭のセミナーが必要なのは新人プロだけではないでしょう。

  ◇  ◇  ◇

 記事本文中でも触れているように男子ツアーは試合数がガタ落ちしている。さらに世界的な評価は下落し、人気低迷ぶりも悲惨だ。日程は虫食い状態で録画放送がはびこり、コースは低レベル。なぜこんな事態に陥ったのか。いったい誰が「元凶」なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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