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キム兄こと木村祐一さんと語り尽くす 昭和・平成・令和の「芸人世代論」【令和のトップランナーに訊く/原田曜平】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月13日 9時26分

原田 残り2つの答えも聞いてみたいですね。他にも昔と変わった点は?

木村 10年くらい前までは「芸人なら1年365日お笑いのことばかり考えとけよ」というスタイルでしたが、最近は働き方改革やコンプライアンスなどもあって、そういう芸人は少なくなってきてますね。本社のホワイトボードがあるような部屋を借りて、パソコンを開いて「さぁ始めよう」とネタを作る子ばかりです。若手芸人でも作家が付いている子たちもいるし、僕たちの時代とは全然違います。

若手に対して抱く「可哀想だな」と「恵まれているな」という両極端な感情(木村)

原田 昔は生活すべてを芸に捧げる人が多かったのでしょうけど、今の若手は公私のオンオフもきっちり。

木村 若手に「どこでご飯を食べているの?」「誰と行くの?」なんて聞いても、飲みに行くこと自体も減っている気がします。

原田 お酒自体を飲まなくなっているんですかね。それとも芸人同士で集まらなくなっているんですかね。

木村 地方営業やイベントをやったりしたら打ち上げのようなことはしてるみたいですけど、日常ではあまり。今はスマホもあるしSNSやサブスクなど娯楽が充実しているから退屈しないですもんね。僕たちの若い頃は、予定がない時はレンタルビデオ屋に行って借りて見るくらいしかなかったですから。

原田 そういう現状も含めて若い子たちをどう見てます?

木村 世代論を語る時には世の常なのでしょうが、「可哀想だな」と「恵まれているな」と両極端な感情を抱きます。今の若手芸人はまず人数が多すぎて、争って勝ち上がっていくのに必死。自分たちのスタイルを見つけて戦えればいいのですが、見つけるまでが大変です。その一方で、今はたくさんコンテンツがあって過去のネタやいろいろな芸人の考え方などもインプットできるし、SNSやユーチューブで自分たちが伝えたいこともアウトプットもできる。僕たちはアウトプットするのは劇場しかなくて、目の前のお客さまにウケるネタという点しか考えなかったのですが、今は自分で選択できるから羨ましいですね。若手芸人でもお客さまがちゃんと付いている子は、配信や“投げ銭”で稼げているとも聞きますしね。

芸人は今後、小粒化していくのでは…(木村)

原田 先輩、後輩の関係性も変わってきました?

木村 希薄になってきているかもしれませんね。芸の世界の決まり事もそこまで厳しくなくなってきたと思います。先輩を「兄さん」と呼ぶとか、舞台に出る前に「お先に勉強させていただきます」と挨拶するとか。

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