NYダウのバブル崩壊が迫っているのか? アメリカ長期金利が急上昇の不気味
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月15日 9時26分
NYダウが上昇したら日本は…(ジェローム・パウエル米FRB議長)/(C)ロイター
いよいよ、バブル崩壊が近づいているのか。「もう危ないか」──と懸念されながら、歴史的な高値をつけているNYダウに黄信号がともりはじめている。アメリカの長期金利が急上昇しているのだ。
10日のNYダウは、前営業日比696.75ドル安の4万1938.45ドルで取引を終えた。「インフレ再燃」懸念から、長期金利が上昇したことが大きかったという。10日、アメリカの10年物国債の利回りは一時、4.79%に達し、2023年11月以来の高水準だった。ここまで金利が上昇すると、投資マネーは「株式」から「債券」にシフトする可能性が高くなる。
通常「リスク資産」である株式の利回りは、「安全資産」の債券よりも高くなる。ところが、10日時点のS&P500種株価指数の予想利回りは4.6%台と、10年債の利回り4.79%を下回った。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「バブルと心配されるほどNY株が高騰しているのは、“好景気”と“金利の低下期待”という2つの好条件が重なったためです。昨年秋まで、『米FRBは2025年に4回利下げする』とみられていました。利下げが行われれば、当然、株価には追い風です。ところが、アメリカのインフレ圧力は予想以上に強く、昨年末『利下げは2回』と、利下げ回数予想は半減してしまった。しかも、その2回の利下げも実現するかどうか確実ではありません。昨年12月の雇用が、予想以上に強く、インフレ再燃の懸念が消えないからです。インフレ圧力が低下しない限り、利下げはできないでしょう。“利下げ期待”がしぼめば、当然、株価にはマイナスです」
■昨年10月は株価10日続落
利下げ回数の減少どころか、市場では株価に逆風となる「再利上げ」すら囁かれはじめている。NYダウは昨年12月、50年ぶりに10営業日続落するなど、ただでさえバブル崩壊の予兆があるだけに、金利の再利上げということになったら急落する恐れがある。
NYダウが暴落したら、日本株も無傷では済まない。
「1月20日にトランプ大統領が誕生したら、アメリカ経済はどうなるのか。予想がつかない状態です。不確定要素の多い2025年のNY市場は、要注意です」(斎藤満氏)
石破政権は「資産運用立国」を掲げているが、うかつに乗るとヤケドしかねない。
◇ ◇ ◇
関連記事【もっと読む】では、「25年には日経平均が3000円となる」と予測した経済アナリストの森永卓郎氏に、今年の日本経済と株価の行方を聞いている。
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