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「東京女子医大のプーチン」資金還流の手口とカネへの異様な執着心…元理事長宅に4億円の現金と金塊を保管

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月15日 11時3分

「東京女子医大のプーチン」資金還流の手口とカネへの異様な執着心…元理事長宅に4億円の現金と金塊を保管

移送される岩本容疑者(左)/(C)共同通信社

 名門医大の「女帝」はトップダウンによる恐怖政治ぶりから「女子医大のプーチン」と呼ばれていた。

 しかも彼女は不正発覚を免れるため、銀行口座は使わず、側近の女(52)を通じて受け取り場所を指示。業務実態のない1級建築士の男(68)から多額の「現ナマ」を還流させていた。

 2020年に完成した128億円に上る東京女子医大(新宿区)の新校舎建設工事を巡り、元理事長の岩本絹子容疑者(78)が13日、背任の疑いで警視庁捜査2課に逮捕された。元理事長の自宅や、経営に携わる「葛西産婦人科」(江戸川区)の関係者のマンションから現金で総額2億円、約2億円相当の金塊が見つかった。

「昨年、『岩本の金が保管されている』という情報提供があり、最初の家宅捜索から4カ月後の同年7月、港区の葛西産婦人科の関係者のマンションをガサ入れした。収納スペースに置いてあった大きなスーツケースの中には帯封のついた1万円札の束1億5000万円分が整然と並べられ、横には金塊2キロがあった。9月、再び岩本の自宅を調べたところ、寝室やスーツケースに現金5000万円と金塊8キロが保管されていた」(捜査事情通)

■10年にわたって君臨

 14年、同大で医療事故が発生し、患者数が激減。経営難の病院を再建した実績を買われ、同年、副理事長に抜擢されたのが岩本容疑者だった。

 彼女は大学全体の経営を担う「経営統括部」の理事を兼任し、人事や経理など主要な管理機能を掌握。葛西産婦人科の事務職員だった側近の女を経営統括部幹部に登用し、自身が非常勤嘱託職員として採用した建築士への「建築アドバイザリー報酬」の支出に関する稟議に関与させた。その結果、当初、日給5万円ほどだった建築士の報酬は毎月数百万円に膨れ上がった。

「大学側から建築士に計21回、1億1700万円の報酬が支払われ、うち元理事長が3分の2、残りが建築士の取り分になっていた。それに従って建築士は報酬から自身の税金45%を引いた約5500万円の3分の1にあたる1800万円を受け取り、残る3700万円を銀行口座から引き出し、側近を通じて元理事長に渡していた。側近はSNSで建築士に受け渡し場所を伝え、二重にした紙袋に入れて産婦人科近くの東京メトロ葛西駅で現ナマを受け取っていた。元理事長側に現金を渡した18年2月と19年2月は建築士の給与が確定し、税金の支払額が判明した次の月だった。建築士は自身の納税額を計算した上、金の出どころや流れがバレないようにしていた。付属病院『東医療センター』の建設工事費を含め、約3億円が建築士に支払われている」(捜査事情通)

 女子医大に設置された第三者委員会は、昨年8月の報告書の中で、岩本容疑者を「金銭やもうけに強い執着心をもっていた」と指摘。自身の意に沿わない人物を排除し、周囲をイエスマンで固め、10年間にわたって名門医大を「私物化」していた様は、まさに「プーチン」と呼ぶにふさわしい。

  ◇  ◇  ◇

 東京女子医大では医療ミスによる死亡事故など不祥事が相次ぎ、患者数が激減。経営の悪化が表面化していた。そのしわ寄せが大学にも及び、21年度の新入生から6年間の学費を一気に約1200万円も上げたのだ。●関連記事【もっと読む】『東京女子医大がご都合主義の学費値上げで偏差値急落…早稲田大学への“身売り説”が急浮上』で詳報している。

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