【高校サッカー】選手権決勝で敗れた流経大柏を見ながら、43年前の帝京の準々決勝敗退を思い出した【六川亨のフットボール縦横無尽】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月17日 9時26分
優勝した前橋育英高(C)Norio ROKUKAWA/office La Strada
【六川亨のフットボール縦横無尽】
第103回全国高校サッカー選手権の決勝は延長戦でも決着がつかず、1-1からのPK戦を9-8で制した前橋育英が、流通経済大柏(千葉)を下して7大会ぶり2度目の優勝を果たした。
全員が成功して5-5で突入したPK戦のサドンデス、8人目で流経大柏のDF幸田のシュートをGK藤原がストップ。 後攻の前橋育英が決めれば熱戦に終止符となったが、2年生ながら変幻自在なドリブルで国立競技場の大観衆を沸かしたMF白井のシュートは、大きくバーを越える。
ここで問題が発生した。 7人目のキッカーが両チームとも成功した時点で日本テレビのライブ中継が終了し、コマーシャルに切り替わってしまったことだ。
テロップではTVerへの切り替えを促していたものの、アクセスが集中して画面が切り替わらなかったという。
その後のニュースで10人目を放映したが、結果的にPK戦のクライマックスとなった8人目と9人目をライブ中継できなかったのは、放送枠の問題があると言っても日本テレビの失態と言っていいだろう。
決勝戦は規定により、延長戦とPK戦があるのは今に始まったことではない。来年の決勝戦では今年の反省を踏まえ、余裕を持った放映枠を確保してほしい。
敗者の流経大柏について――。
準決勝の東海大相模戦は、低調な試合内容に終始。PKでの決勝点を守って辛勝しただけに、前橋育英を相手に立ち上がりからハイプレスを掛け続け、90分以上にわたって好ゲームを演じたことは、正直に言って驚き以外の何ものでもなかった。
初戦となった2回戦で14回の出場を誇る佐賀東に5-0と圧勝した流経大柏は、3回戦でプレミアリーグを制した優勝候補の一角・大津(熊本)と接戦を繰り広げ、2-1で勝利して準々決勝に勝ち進んだ。
そして上田西(長野)との試合も8ー0と大勝を収め、3試合で計15ゴールの猛攻を見せた。
近年の高校サッカー選手権は、Jクラブが全国各地に誕生した影響で地域間のレベル差が縮小傾向にあり、大差のつく試合は少なくなっている。
筆者は、流経大柏の快進撃に一抹の不安を抱いたものだ。というのも過去の高校サッカー選手権で、大勝したチームがあっさりと敗退した例があるからだった。
昭和56年度(1981/1982年)の第60回全国高校サッカー選手権でのこと。
4度目の優勝を狙った帝京(東京)は、1回戦で高松南(香川)に9-0、2回戦は仙台向山(宮城)に8-1、そして3回戦では高崎(群馬)に7-1と圧勝した。 3試合で奪ったゴールは計24点。まさに攻撃陣が大爆発した。
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