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梅毒から身を守るにはどうすればいいのか…新規感染者が15年間で23倍に急増

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月17日 9時26分

梅毒から身を守るにはどうすればいいのか…新規感染者が15年間で23倍に急増

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 昨年の新規感染者報告数の速報値が1万4663件と現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、過去2番目のワースト記録となった「梅毒」。身を守る方法について性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」新宿院の尾上泰彦院長に聞いた。

 梅毒の感染拡大が凄まじい。2010年に621件だった新規感染者報告数は15年間で23.6倍に拡大、とくに女性は2022年のデータで43.2倍となっている。

「女性感染者の多くは20代。妊娠年齢と合致することから母子感染による先天梅毒も増えています。2014年を境に年間報告数は5件前後から10件前後に増え、しばらくは20件前後で推移していましたが、2023年は37件となっています。梅毒感染した妊婦の70%は無症状で、治療しないまま出産すると40%が死産または新生児期に亡くなります」

 亡くならなかったとしても、先天梅毒の子供は髄膜炎、水頭症、脈絡膜炎、知的障害、四肢の麻痺などのほか、骨膜病変、進行性の感音性難聴などを起こす可能性がある。

「梅毒はトレポネーマという病原体が主に性的接触により口や性器などの粘膜から感染する病気です」

 感染約3週間で硬いいぼや手のひらや足の裏に発疹などが出る一方、痛みやかゆみなどがないことが多い。その後、症状は消えるが治ったわけではなく、30%くらいは数年から数十年して症状が現れ、放置すれば神経や心血管などに障害が起き死に至ることもある。

「梅毒急増の原因は複数あり、①口腔や肛門性交でも感染すること、症状が消えても治ったわけではないことなど、正しい梅毒知識がない②マッチングアプリなどにより性的パートナーを見つけやすくなった③風俗業界の競争激化で過激なサービスが増えた、などがいわれています」

 訪日外国人の急増との関係を指摘する向きもあるが、エビデンスはない。

「梅毒感染の多くは性風俗と関係していて、男性は感染者の40%以上、女性は3%以上に利用歴があり、性風俗の従事者は男性2%、女性は35%以上いることが報告されています。ただ、若い女性に急増しているのはコンドームをつけずにセックスするからだと思います。世間知らずで受け身の人が多く、コンドームなしでしたがる男性に押し切られてしまうのです」

■特定の相手でも危ない

 実際、女性の新規感染者は、20~24歳、25~29歳、15~19歳の順で多い。背景には女性が全体的に性的に早熟化したからではないか、との意見もある。

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