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羽生結弦「30歳の挑戦」…プロ転向から2年半「毎回五輪での記録を更新する気持ちでやっています」【独占インタビュー】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月19日 9時26分

 ──どういう研究を。

「メジャーなスポーツでフィギュアと動きが近いと思ったのがバスケットボールでした。バスケの場合は対人でボールという道具を使いますが、切り返しの動きが多い点、ジャンプ力が必要になってくる点、プラス前側の動きだけじゃなく、横側と後ろ側の動き、また周辺視野といった点でも共通点が多くあるのかな、と。特にディフェンスのロールの動きが、フィギュアの回る動きと共通していると思いました」

 ──研究材料となる映像や数字的データなどは自分で調べる?

「NBA選手を教えるトレーナーさんの練習プログラムに興味を惹かれ、その方のトレーニング理論や栄養学を調べたり。あとは論文にアクセスしたり、最前線で何が必要とされているのかというのを研究しました」

どんどん大きくなっていった「羽生結弦像」に苦悩することも

 ──プロに転向して精神面での変化はいかがでしょうか。

「これが、やっている自分としては、あまり変わらなかったな、というのが割と正直な気持ちなんです。例えば今回のショーでも、競技時代のほぼフル構成のプログラムを絶対に入れると決めている。しかも、ただ1回やればよかった競技時代から、今は表現としても競技としても『勝てるプログラムをやらなくてはいけない』と自分に課している。だから“対相手”じゃなくなった、点数が出なくなったからとかはあまり関係ない。ただひたすら、このプログラムを完璧にこなすためにどれだけ練習して、どれだけのトレーニングをしなきゃいけないんだ、という難しさと達成できた時の喜びが今はある。そして、みんなで(ショーを)作り上げているからこそ、僕だけに全てがのしかかるプレッシャーと常に戦いながら滑っているので、毎回オリンピックでの記録を更新する気持ちでやっています」

 ──競技者時代、結果を出せば出すほど「羽生結弦」という存在がどんどん大きくなった。世間の「羽生結弦像」みたいなものに違和感を覚えたことはありますか。

「そうですね、それはやっぱり間違いなくありますね。僕は幼い頃に五輪を観て、この試合で優勝できればみんな喜んでくれるんだ、この試合で優勝した人が一番かっこいいんだと思って、そこに夢を持って突き進んでいったわけですけど、こういう注目のされ方をするとは思っていなかった。息ができなくなるような時も間違いなくありました。例えば、自分が会場に入ってアップをしてリンクに乗ると、アップのような準備段階からカメラに追われ続けて、何もかも一挙手一投足を全部見られる、という風になるとは、正直、小さい頃の自分は思いもしなかった。息苦しさを感じる時はあるけど、それを楽しみにしてくださってる方もいらっしゃる」

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