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スバル初のストロングHV「クロストレックS:HEV」が絶妙にウケているワケ(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月26日 9時26分

スバル初のストロングHV「クロストレックS:HEV」が絶妙にウケているワケ(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)

フロントグリルやルーフレール、LEDヘッドライトもクロストレックの上級グレードとほぼ一緒(写真)小沢コージ

【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】

 スバル クロストレックS:HEV
 (車両価格:¥3,833,500/税込み~)

  ◇  ◇  ◇

 ぶっちゃけ最近のハイブリッドカー(HV)は大変よくできており、平気でモード燃費リッター20kmを超える。人気コンパクトSUVのトヨタ カローラクロスは最良WLTCモード燃費リッター26.4kmだし、ホンダ ヴェゼルは同リッター26.0kmで日産キックスはリッター23.0kmと軒並み20km超え。

 ところが去年「スバル初のストロングHV」として鳴り物入りで登場した新グレード、クロストレックS:HEVはモード燃費リッター18.9kmとやは拍子抜け。リッター20kmすらいかないわけだが、実はセールス好調でオーナー満足度も高く、意外なほどウケがいい。一体なぜなのか? まずは乗ってみた。

 サイズや質感レベルは既存のクロストレックの上級グレードとほぼ遜色なし。全長4.5m弱で全幅1.8mの扱いやすいサイズやグレー調のフロントグリルやルーフレール、LEDヘッドライトも基本同じだ。

 インテリアも一部シルバー素材がブラック系ガンメタ色になり、助手席前パネルやステアリング装飾も同様になったが後はほぼ変わらず。

 先進装備的には、今回初導入のストロングHVグレードのみハンズオフ運転可能なアイサイトXが選べたり、本格HVのもう一つの象徴、1500Wの給電ソケットも備えられるがそれくらい。

 やはり、今回S:HEVと名付けられた新ストロングHVシステムが圧倒的に興味深いのだ。

フラット4を生かすための“変形トヨタ式ハイブリッド”

 このHV、作っているのはスバルだがシステムの発想であり、制御ロジックはトヨタTHSⅡ。動力分割機構にプラネタリーギアを使い、2つのモーターでエンジンを挟むように動力源を組み合わせる発想はトヨタ プリウスと同じだ。

 ところがよくよく見てみると、エンジンはスバルとポルシェしか作ってない自慢の水平対向4気筒=フラット4で、排気量もプリウスやカローラクロスは1.8ℓなのに、クロストレックは2.5ℓとデカめ。

 何よりエンジンパワーとモーターパワーを複雑に分割して組み合わせるギアボックスは、モーターやバッテリーこそトヨタ系サプライヤー製らしいが、完全にスバル製。

 すべてはスバル独自の縦置きフラット4を生かすために作られたものなのだ。

 通常のコンパクト系トヨタHVはほぼすべてがエンジン横置き。よってそのギアボックスに縦置きのフラット4を組み合わせることはできない。

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