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ドジャース大谷の投手復帰に"深刻データ”…TJ再手術後は復帰率6割前後、平均競技寿命半減の厳しい現実

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月29日 17時12分

ドジャース大谷の投手復帰に"深刻データ”…TJ再手術後は復帰率6割前後、平均競技寿命半減の厳しい現実

大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

 今季、2シーズンぶりに投打のリアル二刀流に復帰するドジャース・大谷翔平(30)。

 ドジャースの地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」(電子版)は日本時間28日、ドジャースのチームドクターで、肘の専門医であるニール・エルトラッシュ氏の特集記事を掲載。エンゼルス時代の一昨年9月に2度目の右肘靱帯修復手術を受けた大谷の執刀医でもある同氏は「テクノロジーの進化などさまざまな要因から、再手術後の結果は格段に良くなっている」とし、「ショウヘイはリハビリを進めながら何をできるのか分かっているし、復帰へのプロセスを完全に信じている」と回復ぶりに太鼓判を押した。

 米データサイト「ファングラフス」は27日、成績予想システム「Steamer」による今季の大谷の成績を投手として21試合で9勝6敗、防御率3.48、141奪三振、打者として打率.280、43本塁打、104打点、34盗塁と算出したと発表。この数字を根拠に大リーグ公式サイトは「WAR(貢献度)は投打合わせて8.1と、どの選手よりも高い。二刀流の大谷を最も価値のある選手とみている」と完全復活を予想した。

 エルトラッシュ氏によれば、自身が肘の権威である故フランク・ジョーブ博士のもと、トミー・ジョン(TJ)手術の修業を積み始めた90年代初頭は、2度目の手術を受けた投手の復帰率は30~33%だったが、「術式やリハビリ法の進化などにより、今では60%近くの先発投手がマウンドに戻っている」とした。確かにTJ手術は年々進化しているとはいえ、長いイニングを投げる先発投手が完全復活を果たすのは、それでも6割前後にとどまるのだ。

 京都府立医科大学整形外科医師で、22年U18W杯(米フロリダ州)の高校日本代表のチームドクターを務めた木田圭重氏は以前、靱帯修復手術を複数回受けるリスクについてこう解説している。

「2度目」の小さくないリスク

「手術成績(結果)は悪くなり、選手のリハビリも難しくなると思われます。米国の論文では、TJ手術の再手術後の平均キャリアは2.6シーズンと、同年齢の投手の4.9シーズンより短くなるという報告もあります。術後の成績は初回よりも劣ります」

 しかも、2度目の手術を受けた投手は1度目よりも復帰が遅れる上に、パフォーマンスを取り戻すまでに時間を要するケースが珍しくない。

 サイ・ヤング賞2度の右腕デグロム(レンジャーズ)は23年6月にメスを入れて復帰した昨季、3試合(0勝0敗、防御率1.69)の登板に終わった。ド軍で昨季同僚だった右腕ビューラー(現レッドソックス)も22年の2度目のTJ手術から昨年5月に復帰したが、16試合で1勝6敗、防御率5.38と安定感を欠いた。

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