「あさイチ脳梗塞」の基礎を知る…寝たきりや認知症の主因
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月31日 9時26分
写真はイメージ
「あさイチ脳梗塞」が怖い冬。発症すると半分に後遺症が残り、寝たきりや認知症の主要な原因となる。脳梗塞の多くは起床から2時間以内で発症することが多い。どう予防すればいいのか? 「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
「脳梗塞は、脳内出血、くも膜下出血とともに脳血管疾患(脳卒中)に数えられます。脳内の血管が詰まって神経細胞に十分な栄養が行き渡らず、意識、感覚、運動などが障害されます。脳血管疾患の7割が脳梗塞で、寝たきり、認知症の主要要因とされています。発症は就寝中か朝の起床時が多いとされます」
実際、「起床時発症脳梗塞」と「非起床時発症時刻不明脳梗塞」に分類した研究によると、症状覚知時刻は午前4時から10時が多かった。
厚労省の患者調査などによると、令和5年に脳血管疾患で治療を受けている総患者数は184.3万人。うち脳梗塞は119.1万人。この年に脳梗塞で亡くなった人の数は5.7万人で、月別では1月、12月、2月の順に多かった。
いまは研究が進み、脳に詰まった血栓を点滴による薬で溶かす「t-PA療法」や、細い管(カテーテル)を入れて血栓を回収する「血栓回収療法」が開発され、後遺症を少なくしたり、発症して24時間以内であっても脳梗塞の状態次第で患者を救える技術が進んでいる。しかし、一番いいのは発症しないことだ。どうすればいいのか?
「脳梗塞の主因は脳血管の動脈硬化です。動脈の血管の壁が厚く硬くなり、内側にコレステロールなどがたまって血液の流れが悪くなります。これは老化現象のひとつですが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病、肥満などや喫煙や大量飲酒などの習慣があると悪化速度が高まることがわかっています。まずはこれらの疾患の治療に取り組み、生活習慣を改善することが一番の予防法になります」
■朝食も発症予防になる
脳梗塞の前兆を見逃さないことも大切だ。
「脳梗塞は①『ラクナ梗塞』(微細な血管が詰まる)②『アテローム血栓性脳梗塞』(動脈にコレステロールや中性脂肪などがたまったものをアテロームといい、比較的太い血管の動脈硬化により内腔が狭くなる)③『心原性脳梗塞』(不整脈などで心臓でできた血の塊が脳血管を詰まらせる)の3タイプあります。①は隠れ脳梗塞とも呼ばれるほど症状がなく、年を取れば誰にでも現れる血管の老化現象です。しかし、脳ドックなどで調べることが可能で、人より多い場合は、65歳未満で発症する若年性認知症の主因となるので注意が必要です」
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