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長与千種との「髪切りデスマッチ」でダンプ松本の“影武者”としてデビュー【全日本女子プロレス伝/影かほる】#1

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月5日 9時26分

長与千種との「髪切りデスマッチ」でダンプ松本の“影武者”としてデビュー【全日本女子プロレス伝/影かほる】#1

左がダンプ松本、右が影かほる(本人提供)

【全日本女子プロレス伝】#1

 ダンプ松本の自伝的ドラマ「極悪女王」(Netflix)で注目を浴びた女子プロレスをスポーツ興行にした立役者・松永4兄弟の姪で創業から解散までのすべてを知る、松永家最後の生き証人が「全女」を語る。

  ◇  ◇  ◇

 ──「おまえら、どっちがどっちだかわかんねぇな。双子みたいだな」。1985年の初夏、伯父でもある高司(会長)が発した一言が、リングデビューのきっかけだった。

「松永一族のサイパン旅行にダンプ(松本)さんとダンプさんの妹も便乗したんだよね。ダンプさんたちと一緒にプールで泳いでいたら、会長が言ったの。この後、ダンプさんから『今度、こういう試合があるんだけど、かほちゃん、セコンドで出ない?』って誘われたんだよ」

 ──誘われたのはクラッシュ・ギャルズの長与千種対ダンプ松本の「敗者髪切りデスマッチ」。1万人超を収容する大阪城ホールのメインイベントだ。

「『面白いですね』って返事して、帰国後『サイパンでの話、どうします?』ってダンプさんに聞くと『やる気あるんだったら、金髪にしてきて』って言われたから、すぐに金髪にした。子供の頃から全女の中にいたから、そういうもんだろうな、って何も疑問に思わなかったね」

 ──こうして“訳アリデビュー”はアッサリ決まった。8月28日、メインイベントのゴングが鳴り、影は顔面ペイントに黒いサングラスで花道を歩く。

「ダンプさんの試合はいつも見てたから、動きは大体わかってた。予想外だったのはリングセンターで、ちこさん(長与)がおでこがくっつくほどの超至近距離でにらんできたこと。内心、『これ、どうしたらいいの? こんなに近くに来られちゃっても困っちゃうんだけど』と思ってね、バレるんじゃないかとひやひやしたよ」

 ──極悪同盟のセコンドが突然マスクを脱ぎ“本物のダンプ松本”が登場。1万人の観客も、実況解説者もマンマとダマされた。この“替え玉入場”シーンは「極悪女王」でも再現された。

「みんなから『似てた!』と言われたけど、あの頃のお客は実物のダンプ松本を見たことがないんだよ。同じような格好で竹刀を振ってたら、勝手にダンプだと思い込んでくれる。観客の盲点を突いたダンプさんの奇策だったね」

 ──松永一族の娘がダンプの影武者でデビューすることに異議を唱えられることはなかったのか。

「ダンプさんが何をしようが、マッチメーカーの国ちゃん(国松)も会長も何も言わなかったね。『俺たちの仕事はマッチメークまで。レスラーはリングの中で何をやってもいい』っていうのが、全女の考え方だった」

 ──こうして鮮烈なデビューを飾った。

「この後『極悪同盟』に入って、ダンプさん、(ブル)中野さんたちと行動を共にすることになったんだけど、ぶっつけ本番で竹刀を振り回してダンプさんになりきれた勇気は40年近く経った今もホメられるよ。『あれができたのは、かほちゃんだけだ』ってね」

▽影かほる(かげ・かほる) 1963年5月23日生まれ、東京都出身。85年に“ダンプ松本の影武者”としてリングデビュー。全日本女子プロレス興業(以下、全女)を創業した松永4兄弟の姪で、母はレスラーの吉葉礼子。89年から2005年の解散まで、全女のプロデュースやマネジメントなどを手掛けた、松永家の生き証人。現在は、居酒屋「かおちゃん家deめしくい亭」(東京・品川区)を経営。

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