米国vs中国「関税バトル」で報復合戦が始まった! 日本産業を襲う「逆風」と意外な「追い風」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月5日 16時3分
再び衝突(C)ロイター=共同
米中の貿易戦争が再燃だ。トランプ米大統領は4日、中国からの輸入品に10%の追加関税を発動。さらなる引き上げもチラつかせつつ、週内にも中国の習近平国家主席との電話会談に臨む予定だ。メキシコとカナダへの25%の関税は1カ月延期したが、中国には妥協を許さない。米中対立に日本の産業も翻弄される。
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「タリフ(関税)マン」の強硬策に、中国はすぐさま対米報復措置を発表。10日から石炭やLNG(液化天然ガス)に15%、原油や農業機械、自動車などに10%の関税を課すほか、トランプによる関税措置をWTO(世界貿易機関)に提訴した。レアメタルの一部を輸出規制し、米グーグルを独占禁止法違反の疑いで調査する“対抗策”にも打って出る。
言わずもがな米中両国は、日本にとって最重要の貿易相手。対立激化によって双方の経済が冷え込み、日本経済も打撃を受けるという「悲観論」が渦巻くのも無理はない。特に逆風を受けそうなのが、日本の“お家芸”である自動車産業だ。東京財団政策研究所の柯隆主席研究員が言う。
「米国はガソリン車のシェアが圧倒的に高く、中国は『EV大国』です。日本車はハイブリッドが売りですが、そもそも中途半端な立ち位置です。日本は中国をベースにして部品や完成車を米国へ輸出するパターンが多く、追加関税によるダメージは避け難い。トランプ氏は今のところEUへの追加関税も『近いうちにやる』と息巻いていますが、何らかのディールを経て発動しなければ、日本車はますます市場で不利になる。米国市場においてドイツ車に後れを取る可能性も否めません」
戦略次第でチップアイランドとして成長
ただ、悪い話ばかりではない。第1次トランプ政権時代にも米中対立は深刻化したが、日本の蓄電池やコンデンサー類などは対米輸出額が増加。貿易摩擦が追い風となる産業もあるという。
「そのひとつが半導体でしょう。そもそも半導体は中国を中心にサプライチェーンが形成されるはずでしたが、脱中国化が加速。では台湾はどうかというと、中国から攻められるリスクがある。それゆえに日本の重要性が高まっているのです。いわば、ハイテク分野を日本に集約するチャンスです。台湾の半導体大手TSMCが熊本に建設した工場(写真)は、着工を確認した第2工場からさらに拡張する話も出ている。補助金を惜しみなく投入し、日本のプレゼンスを高めれば、優秀な人材も集まる。戦略次第では、チップアイランドとして成長できるでしょう」(柯隆氏)
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