1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

長引く「しゃっくり」に潜む病魔…2日以上続いたら要注意

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月7日 9時26分

長引く「しゃっくり」に潜む病魔…2日以上続いたら要注意

しゃっくりが長引く場合は注意したい

「ヒック、ヒック」──。突然始まり、なかなか治まらないしゃっくり。体力を消耗し、仕事や勉強に差し支えるだけに困惑している人もいるはずだ。通常は数分から数時間、長くても2日ほどで治まるが、それ以上長引く場合は注意したい。重大な病気が潜んでいる可能性がある。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

「しゃっくりは吃逆とも言い、横隔膜、肋間筋、前斜角筋などの呼吸器筋のけいれんにより発生します。『ヒック』という独特な音声は、急に空気が気管内に吸い込まれた際に、声帯筋が収縮して閉塞した声帯を呼気が通過するために起きるのです。通常、しゃっくりは数分から数時間、長くても2日ほどで治まりますが、それ以上長引くなら、病気や薬の影響であることも考えられます」

 しゃっくりはもともと胎生期の原始反射(赤ちゃんの生命維持、神経の発達を促すのに必要な動き)のひとつ。胎生期に鼻や喉の異物を除去するための仕組みだという。しかし、出生後は必要なくなるため、成長と共に発生しにくくなる。

「しゃっくりは持続時間により3つのタイプに分かれます。『良性』(48時間以内)、『持続性』(2日~1カ月)、『難治性』(1カ月以上)で、人によっては数年にわたることもあります。高齢男性のしゃっくりの中には、うつ状態、食欲不振、睡眠障害、体重減少、栄養障害を伴うこともあります。就寝中は止まり、目が覚めると始まるケースもあります」

 良性のしゃっくりは、食事やお酒の食べすぎ飲みすぎ、炭酸飲料水、呑気症(無意識に空気をのみ込んでしまう病気)などにより胃が膨れるか、冷たいシャワーを浴びたり水風呂に入ったり、熱いか冷たい食べ物や飲み物により胃の周辺の温度が急激に変化したり、急激な興奮や感情的なストレスなどによって現れる。

■脳梗塞やがんが隠れている可能性も

「胃には脳につながる迷走神経が多数走っているため、これら胃への刺激はしゃっくりにつながるのです。多くの人はしゃっくりを軽く考えがちですが、長引くタイプの持続性、難治性のしゃっくりは、病気や薬が原因の場合もあり注意が必要です。しゃっくりは鼻と喉の境にある咽頭神経などになんらかの刺激が加わり、その信号が吃逆反射の中心である延髄に伝わり、横隔神経や迷走神経を介して横隔膜や声帯に指示されることで発生します。ここで言う刺激は、横隔神経などでの炎症や腫瘍、あるいは肺、胃、食道、膵臓など横隔膜などの周辺の炎症や腫瘍などが考えられます。そのため、長引くしゃっくりには、心膜炎、心筋梗塞、肺炎、肺気腫、気管支炎、食道炎、逆流性食道炎、胃がん、膵がんなどの病気が隠れている可能性があります。また、延髄の周辺、つまり脳内で問題が起こっている場合もあります」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください