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40歳以上の20人に1人が発症する「緑内障」…3つのよくある間違い

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月11日 9時26分

40歳以上の20人に1人が発症する「緑内障」…3つのよくある間違い

年に1回は眼科検診を(C)iStock

 40歳以上の20人に1人と言われるのが「緑内障」だ。病名は知られているが、間違った知識も横行している。たじみ岩瀬眼科の岩瀬愛子院長に話を聞いた。
 
 緑内障は、眼球の内側にかかる圧力(眼圧)によって視神経が傷つき、次第に視野が狭くなる病気だ。よくある間違った知識が「きちんと見えているので、または視力検査では異常なしなので、緑内障ではない」。

「日本初の大規模調査『多治見スタディ』では、40歳以上の20人に1人に緑内障が見つかり、9割が無自覚でした。また、視力検査が1.5や2.0でも、緑内障ではないとは言えません。かなり進んだ緑内障が見つかった人から『運転免許証の視力検査では問題なしだったのに』と言われることもあります」(岩瀬院長=以下同)

 緑内障はたいてい両目に発症するが、進行スピードが違う。一方の目でもう一方の目を補って見ているので、「見えづらさ」を自覚しない。

 さらに「視野が狭くなる病気」であるため、中心部分に視野障害が及ぶまで視力は落ちないことが多い。視力検査では注視した時の網膜中心部の能力を調べており、“緑内障だが視力検査の結果はいい”という現象が起こる。

「しかし緑内障が進行すれば、見える範囲がどんどん狭くなりやがて視力を失います。緑内障は我が国の中途失明原因の第1位です」

■白内障と混同しているケースも

「緑内障は、手術で見えるようになる」──。これも間違っている。

「間違っている理由として主に2パターンがあります。ひとつは緑内障と白内障を混同しているパターン。緑内障は視神経が障害される病気で、白内障は水晶体が濁る病気です。緑内障の治療は眼圧を下げて進行を抑えることが目的で、元の見える状態に戻すことはできません。一方、白内障は濁った水晶体を取り除き、眼内レンズに換えることで、視力を取り戻せます」

 もうひとつは、緑内障と白内障を併発していて、白内障手術で見えるようになったことを、「緑内障も治った」と勘違いするパターン。

「視力は取り戻せても、視野が欠けている状態は変わりません。だから緑内障の治療を継続しなければならない。ここでやめてしまって、何年後かに、視野欠損がかなり進んだ状態で再来院される患者さんもいます」

 緑内障の治療は、基本が点眼薬。点眼薬では眼圧が十分に下がらない場合、レーザー治療や手術が検討される。前述の通り、緑内障の治療目的は「眼圧を下げて、進行を抑えること」。

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