マレー半島を自転車で縦断しようとしたが、3日でリタイア

Global News Asia / 2014年11月2日 12時59分

筆者がマレー半島に使用した自転車はこんな感じだった。

 2014年10月30日、マレー半島を自転車で縦断したという日本人に出会った。実は筆者も、雑誌の企画で自転車でのマレー半島縦断に挑戦したことがある。が、筆者の場合は失敗に終わってしまった。

 スタート地点はバンコク、ゴールはシンガポールに設定した。これは日本でいうならば、北海道から九州くらいまでの距離である。しかし、筆者はそれをまったく理解していなかった。学生の頃、地理はあまり得意な教科ではなかったし、世界地図もふだんあまり見ることはなかった。そのため、マレー半島を日本の房総半島くらいの大きさと思い込んでいたのである。

 出発日の前日、当時、結婚していた嫁にはこう言った。
「ちょっと仕事でタイ南部のほうに行ってくる。3日くらいで戻るよ」
 別に嘘をついたつもりはなかった。本当にマレー半島を自転車で、3日くらいで縦断できると思っていたのである。アホなのである。

 書店で地図を購入した。もしこのときに購入した地図が世界地図で、マレー半島の大きさを日本列島と比較して確認できていたなら、筆者はすぐに編集長に電話して企画の中止を訴えていただろう。が、残念ながら、筆者が購入したのはマレー半島だけが描かれた地図だった。マレー半島を房総半島くらいの大きさと思い込んだままの出発となってしまった。

 ママチャリに乗ってバンコクを出発した。筆者はマレー半島の大きさをまったくわかっていないアホであることにくわえて極度の方向音痴だった。初日はバンコク都内をグルグルとまわり、出発地点からほんの数キロしか離れていない地点で宿をとった。

 2日目にタイ南部へと続く国道に到達した。この道路をひたすら南下していけばやがてシンガポールに到達するはずだった。
 それにしても暑かった。季節は暑季の真っ只中。ギラギラとした日差しが容赦なく降り注ぎ、全身から汗が滝のように流れ落ちる。コンビニを見つけるたびに自転車を止めて水分補給をするのだが、それもまたすぐに汗となって流れ落ちていった。

 日が沈んできたので宿をとることにした。が、市街地からは遠く離れていた。道路の両側に広がる広大な大地の中に宿がありそうな気配はまったくなかった。
 やがて完全に日が沈んでしまった。道路に沿って設置されていた外灯もしばらくしてプツリと途絶えてしまった。
 暗闇。視界に映る光は自転車のライトのみ。その小さな光の中に見える、アスファルトの道路に引かれた白線だけを頼りに自転車を走らせた。
 光、光、光……。
 とてつもなく光が恋しかった。水中で空気を求めるのと同じように、筆者は暗闇の中で光を求めていた。どこなのかもわからない暗闇の中にひとりぼっちというのは大の男でもひどく心細くなってくる。

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