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【インド】インド経済動向ーHSBC投信

Global News Asia / 2016年1月23日 20時16分

インドのイメージ。写真はタージ・マハル。(HSBC提供)

 2016年1月22日、HSBC投信は、インド市場を見る眼~現地からの報告を発表した。レポートによると、インドは原油安ショックに強い。インフラ投資促進のための国家基金を設立。株式・債券・為替市場は、12月は株式・債券・通貨いずれも方向感に乏しい展開。世界的な投資家のリスク回避志向、国内では冬季国会での物品サービス税(GST)法案の不成立などがマイナス要因となる一方、良好な国内景気指標はプラスに働いたと伝えた。

下記はその詳細。

1. インドは原油安ショックに強い
 原油価格の大幅下落は多くの国に打撃を与えているが、石油輸入国であるインドには恩恵をもたらしている。原油安は、インドの貿易・経常収支の改善とインフレ率の低下に寄与しており、昨年は4回の利下げが可能となった。

 インドの石油純輸入額は、原油価格が下落基調を辿る中、ピーク時の2012年と比べ2015年は半分近くまで減少した。また、今後、仮に原油価格が1バレル=40米ドルで推移すれば、2016年の石油純輸入額はさらに大幅に減少し、2012年と比べると700億米ドルの輸入額減少になると推計される。原油価格の下落は、インドの貿易収支改善に大きく寄与することになる。

 一方、政府は、税収増を目的に、原油の輸入関税の再導入を検討中と伝えられている。原油に対しては、2011/2012年度(2011年4月-2012年3月)まで5%の関税が適用されていたが、原油価格の大幅上昇を受けて、同年度に同関税は撤廃された。

 最近の原油安は、政府が強い抵抗を受けることなく、原油輸入関税を再導入し、税収を増やす機会をもたらしている。

 但し、最近の原油価格急落は、投資家のリスク回避志向を高め、世界的な株安の原因の一つとなっている。インド株式市場にもその影響が及んでおり、短期的にはこのマイナス面にも留意が必要である。

2.インフラ投資促進のための国家基金を設立
 政府は、インド国内のインフラプロジェクトへの資金供給を目的に、国家インフラ基金(NIIF -National Investment and Infrastructure Fund)を設立、60億米ドル程度の投資が計画されている。

 NIIFは、新規及び既存のインフラプロジェクトに投資、現在中断されているプロジェクトにも資金を提供する。

 インドは、道路を中心とする輸送網整備や発電所建設などに大規模な投資を必要としているが、多くのインフラプロジェクトは資金不足から停滞している。NIIFの設立は、インフラ関連企業を強力に支援し、インフラプロジェクトの前進に大きく寄与することが見込まれる。

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